【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮が2018年の軍事合意を受け非武装地帯(DMZ)にある監視所(GP)をそれぞれ撤去し相互に検証したものの、韓国側の検証が不十分だったとの疑惑が取り沙汰されていることについて、韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は15日の記者会見で「事実関係を確認中」と述べた。

 同疑惑は申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官が10日に行われた聯合ニュースとのインタビューで初めて提起した。申氏は北朝鮮が昨年11月に南北軍事合意の破棄を宣言した後、破壊した監視所の復元を進めているとし、「(撤去した)当時、北は地上に見える監視所だけを破壊し、残りの地下施設には手をつけなかったものとみられる」と指摘。修理すればすぐに使える程度の破壊だったのではないかなどと述べた。

 南北は文在寅(ムン・ジェイン)前政権下の2018年に軍事合意を締結。合意に基づき、非武装地帯内の監視所のうち、試験的に各10カ所を撤去し、1カ所ずつは火力装備などを撤去し建物のみを保存した。撤去作業後には南北からそれぞれ77人が相手側の監視所跡を訪問して検証作業を行った。当時、韓国軍当局は北朝鮮側の監視所が完全に破壊されたと発表した。

 しかし北朝鮮が合意破棄の宣言後、速いスピードで監視所の復元を進めたため、監視所の地下施設が残っていた可能性が指摘されている。また、撤去された北朝鮮の監視所の検証作業が十分でなかったとする報告があったにもかかわらず、当局が黙殺したとの報道も出た。

 国防部は現場検証団が残した記録を調べ、そのような報告書などがあったのか確認する方針だ。

 軍事合意が締結された当時、国防部の対北政策官を務め、監視所の撤去を巡る交渉の韓国側代表を務めた最大野党「共に民主党」の金度均(キム・ドギュン)氏は聯合ニュースの取材に対し、申氏の発言や報道は事実を歪めたものとし、地下トンネルも含めて完全に破壊されたことを確認したと反論した。

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