▲1960年以来64年ぶりの優勝を目指す韓国代表。/大韓サッカー協会

 サッカーのアジアカップで64年間優勝から遠ざかっている韓国。優勝という目標をかなえるためには、日本を超えなければならない。韓国代表の戦力は過去最高といわれるほど絶頂期にある。主将の孫興ミン(ソン・フンミン、31)=トッテナム=を筆頭に、キム・ミンジェ(27)=バイエルン・ミュンヘン=、黄喜燦(ファン・ヒチャン、27)=ウルヴァーハンプトン=、李康仁(イ・ガンイン、22)=パリ・サンジェルマン=など欧州のビッグリーグで活躍する選手たちは絶好調だ。韓国代表は今月6日に行われた強化試合のイラク戦(1-0で韓国の勝利)を含め、最近の国際Aマッチで6連勝を収めている。このうち国際サッカー連盟(FIFA)のランキングが最も高い相手は28位のチュニジア(4-0で韓国勝利)だった。韓国のFIFAランキングは23位だ。アジアカップで韓国は1956年、60年に連続で優勝して以降、準優勝4回という結果に終わっている。「アジアの盟主」を自任する韓国サッカーとしては残念な結果だ。ただし、今月12日にカタール・ドーハで開幕するアジアカップはこれまでとは違うとの見通しが示されている。

 とはいえ、屈強という意味では日本も同じだ。同大会で4回の優勝を誇る最多優勝国の日本は、FIFAランキング(17位)でも韓国を上回る。代表チーム26人のうち20人が欧州でプレーしている。一方の韓国は12人。日本は顔ぶれも豪華だ。天才と呼ばれる久保建英(22)=レアル・ソシエダ=、爆発的なスピードを持つ三笘薫(26)=ブライトン=、多才多能な中盤の司令塔、遠藤航(30)=リバプール=らが主軸となる。大会中は短期間で多数の試合をこなすため選手層も厚くしており、主軸がけがをしても戦力ダウンの心配がない。日本は今月1日、タイを5-0で破り、国際Aマッチ9連勝となった。FIFAランキング16位のドイツ(4-1で日本の勝利)が最も強い相手だった。2011年以来、13年ぶりに王座を奪還するのが日本の目標だ。

 アジアカップの展望を語る際、国内外の専門家の大半は韓国と日本を「2強」に挙げる。両チームがそれぞれグループステージ(予選)を1位で通過した場合、対戦するのは決勝戦ということになる。

 韓国の専門家らは韓国優位とみている。ハン・ジュンヒ解説委員は「日本の強みは選手層が厚く粒ぞろいだということ。それでも韓国の優勝確率は60%で最も高いと思う。孫興ミン、キム・ミンジェ、黄喜燦、李康仁の4人が今見せてくれているパフォーマンスは、アジアのサッカーの歴史でも例を見ないほどのものだ。韓国は日本の安定した戦力を相殺するだけの破壊力を持っていると思う」と話した。キム・デギル解説委員も「けがさえ無ければ韓国の方が日本より優勢だ」との見方を示した。

 一方で、海外の予想は異なり、日本が優勢とみている。アジアのサッカーを25年以上取材している英国ロイターのマイケル・チャーチ記者は「日本は代表チームを招集するたびに1-2人がけがで離脱するにもかかわらず、国際Aマッチで8連勝を収めるほど強かった。選手層が厚いため、誰かが負傷しても戦力ダウンの心配がないということ」として「日本が圧倒的な優勝候補という事実は変わらない」と話した。日本のサッカージャーナリスト、大住良之氏は「今の日本代表なら優勝は当然という雰囲気。全世界もそう見ている」として「厚い選手層を十分に生かし、柔軟に選手を起用すれば、優勝は問題ないはず」との見方を示した。中国のスポーツメディア「捜狐」は「日本が今大会の先頭走者だ。韓国は挑戦するという状況」とつづった。

 海外の大手ブックメーカー、ウィリアムヒルは、日本の優勝に最も低い2.25倍を付けた。配当が低いほど優勝の確率が高いことを意味する。韓国は3倍だった。サッカーのビッグデータを扱う「フットボールランキング」は、日本の優勝確率を36.4%と予測した。韓国は13.1%で、イラン(17.6%)、オーストラリア(14.8%)に次いで4位だった。パク・ムンソン解説委員は「戦力分析は代表チームの選手26人全体の技量を総合して評価するほかない。ブックメーカーのサイトやビッグデータ企業はそのようにして優勝確率を分析している。しかしサッカーは11人でプレーするもの。韓国の主力11人は日本より強い」と強調した。

 中東で開催されるため、中東の国が優勝するとの見方もある。キム・デギル解説委員は「中東特有の粘り強く手堅い守備が、ホームグラウンドで威力を発揮する可能性もある」と話した。元韓国代表の李天秀(イ・チョンス)氏はYouTubeで「中東で開催されるため、サウジアラビアが旋風を巻き起こす可能性もあると思う」と語った。

イ・ヨンビン記者

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