【ソウル聯合ニュース】韓国をこれ以上「統一の相手」とみなさないと宣言した北朝鮮が、具体的な措置を取り始めている。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が昨年末に開かれた党中央委員会総会で、韓国を同族ではなく敵対的な交戦国と規定し「いつになっても統一は実現できない」と表明したことを受け、対韓国組織や南北関係を根本から見直す方針とみられる。

 北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は今月1日、対韓国事業を担う機関を整理するための協議会を開催した。統一を目指す特殊関係ではなく外国として韓国を扱うことを強調するため、外交を統括する外務省が協議会を主導したとみられる。協議会には李善権(リ・ソングォン)統一戦線部長も出席したが、報道では肩書無しで「李善権同志」と呼んだ。韓国に対する心理戦や統一工作などを担当してきた統一戦線部の地位の格下げが表面化したといえる。統一戦線部が維持されるかどうかも不透明だ。

 韓国との交渉を主導した祖国平和統一委員会は2021年1月の党大会以降は公式活動がなく、事実上廃止されたとみられる。朝鮮アジア太平洋平和委員会や民族経済協力連合会、民族和解協議会などの韓国関連機関も廃止・縮小される見通しだ。

 すでに北朝鮮の対外宣伝メディアでは具体的な変化が現れている。「わが民族同士」はホームページに掲載していたコーナー「統一はわが民族同士」を削除したことが確認された。同コーナーでは北朝鮮の統一政策や過去の南北首脳の合意などを紹介していた。また、「黎明」のホームページでも韓国関連情報を伝えていたコーナーがすべて削除された。

ホーム TOP