【ソウル聯合ニュース】韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官候補は3日、国会に提出した人事聴聞会の答弁書で、徴用問題で政府傘下の財団が日本企業に代わって賠償金を支払う解決策「第三者弁済」を今後も進める考えを明らかにした。一方、野党は趙氏が徴用訴訟を巡る「裁判取引」疑惑に関わっていたとして攻勢を強める構えで、徴用問題が8日に予定されている趙氏の人事聴聞会の争点になる見通しだ。

 趙氏は答弁書で徴用問題について、「原告の方々が大法院(最高裁)で勝訴が確定した場合、早期に判決金を受け取れるよう、政府が現在推進中の解決策を今後も揺るぎなく推進していかなければならない」との考えを示した。

 韓国政府は昨年3月、日本企業への賠償命令が確定した訴訟の原告らに対し、政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が民間企業の寄付金を財源として賠償相当額を支払う第三者弁済を解決策として発表した。趙氏はこの解決策に関し、「1965年の請求権協定やその後の韓国政府の解釈、2018年の大法院判決の内容を総合的に考慮し、全体的にバランスの取れた合理的な方策」と評価した。

 韓国政府の解決策発表後、日本側の「誠意ある措置」があったと思うかとの質問に対しては、「国民の期待には及ばないが、日本もそれなりに悩んでいると思う」と答弁した。

 趙氏は「外交や対外的な国益と関連した事案については立法・司法・行政部が一つの声を出すことが望ましいと思う」との見解も示した。徴用問題で日本との関係が悪化したことを念頭に置いた発言とみられ、司法部が法理だけでなく外交や国益を考慮して判決を下す必要があるとの意味で受け止められ、不適切との指摘も出ている。

 一方、朴槿恵(パク・クネ)政権時代、当時の司法部が海外に派遣する裁判官の数を増やすため、朴政権の要求を受けて徴用訴訟の再上告審の判決を遅らせた裁判取引疑惑を巡り、疑惑の中心人物である法院行政処の元次長の起訴状に外交部第2次官だった趙氏と3回にわたって会合したことが記されており、野党は人事聴聞会で趙氏の関与を追及する見通しだ。趙氏は「関係者に対する裁判が進められている事案について詳細な内容に言及することは困難」として具体的な説明は避けた。

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