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女性信徒性暴行で懲役16年…李載禄受刑者、刑の執行停止中に死去
教会の複数の女性信徒に対する常習的な性暴力の罪で懲役16年の刑が確定した李載禄(イ・ジェロク)万民中央聖潔教会牧師が、刑の執行停止を受けて出所したまま死去したことが1日に伝えられた。享年80歳。李受刑者は大邱刑務所に収監されていた昨年3月、末期の大腸がんと診断されて刑の執行停止を申請し、これを検察が許可していた。
李受刑者の娘であるイ・スジン万民中央教会堂会長職務代行は、大みそかのオンライン礼拝で「李載禄・堂会長がきょう午前11時ごろ、祈祷所で昇天された」と述べた。ただし教会側は、李受刑者の死因などについては具体的に明かさなかった。検察関係者は「李氏の死亡診断書を確認した」と語った。
李受刑者の女性信徒性暴行事件は「MeToo運動」の真っ最中だった2018年4月、教会の女性信徒などが李氏を告訴したことで明るみに出た。李受刑者は2010年から数年間、女性信徒8人に対して計42回にわたりセクハラや姦淫を行った罪で起訴された。
一審は、李受刑者の罪のうち9件を除いて残りを全て有罪と認め、懲役15年を言い渡した。控訴審では刑量が懲役16年に増えたが、これは控訴審の裁判中に被害者が1人増えて9人になり、一審では無罪判決が出ていたもののうち1件も有罪に変わったからだ。裁判部は「被告が若い女性信徒らの絶対的な信頼と従順を利用し、長期間何度も常習的にセクハラに及び、姦淫した」と判示した。大法院(最高裁に相当)は2019年、懲役16年の刑を確定させた。
李受刑者は1982年に、信徒13人と共に万民中央教会を設立したという。この教会は90年代から急成長し、一時は信徒数が10万人を超えたといわれている。しかし、改新教(プロテスタント)中央教団では同教会を「異端」とみなしている。
イ・スルビ記者