▲イラスト=UTOIMAGE

 クリスマス当日未明に発生したソウル市道峰区放鶴洞のマンション火災について、その原因が住民の不注意だった可能性が高いとの調査結果が26日に公表された。ソウル道峰警察署が同日消防署や韓国電気安全公社などと合同で現場検証を行い上記の結論が出たいう。現場からは数多くのたばこの吸い殻とライターが見つかった。

 今回の火災はマンション3階301号室の小さい部屋が火元だという。この部屋にはパソコンが置かれていたが、電線などが火元ではなかったようだ。警察の関係者によると、電気器具の誤作動や漏電など電気的要因や放火による発火の可能性は低く、それ以外の別の要因も全て排除されたという。今回の火災は人間の不注意が原因で発生した可能性が高いということだ。

 ソウル市立大学消防防災学科のイ・ヨンジュ教授は「たばこの火はすぐに燃え上がらずゆっくりと燃えるが、それが燃えやすい材質のものに燃え移った場合は一気に火災になってしまう」とした上で、「もしたばこの火の不始末が原因で今回の火災が起こったとすれば、何かに燃え移ったことがすぐにはわからず後から燃え広がったことを知ったのかもしれない」との見方を示した。

 警察は今回の火災で犠牲になった32歳のパクさんと37歳のイムさん(いずれも男性)について、正確な死因と死亡時刻を解明するため検死を依頼している。国立科学捜査研究院による1次所見ではパクさんは落下により体の複数の箇所が強く打ち付けられたこと、イムさんは煙を吸ったことが死因だった。パクさんは事故当時、生後7カ月の娘を抱いて4階から飛び降りた。パクさんは死亡したが娘は軽傷で済んだという。イムさんは火災の第一通報者で、10階に住んでいた家族を避難させてから最後に自宅を出たが、避難していた非常階段で心肺停止の状態で発見された。上記の警察関係者は「今のところ犯罪被害の証拠は見つかっていない。遺体の詳しい検査に加え毒物なども調べた上で最終的に死因を特定する予定」と説明した。

 今回の火災でパクさんとイムさんの2人が死亡し、3人が重傷、27人が軽傷だった。火元となった世帯は全焼し、一部の階ではベランダなどが燃え、被害総額は1億980万ウォン(約1205万円)に上るという。200人以上の住民が避難し、23人が自宅に帰れない状態となっている。

ヤン・スンス記者、コ・ユチャン記者、ソ・ボボム記者

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