南北関係
北朝鮮の脅迫で点灯中断していた金浦の「愛妓峰ツリー」、9年ぶりに輝き取り戻す
京畿道金浦市は24日夜、北朝鮮を見下ろすことのできる愛妓峰平和生態公園でクリスマスツリーの形をした生態公園探訪路の点灯式を行い、公園から愛妓峰展望台までの全長800メートルの探訪路がLED(発光ダイオード)を使った夜間照明で一斉に明るくなった。点灯式は2014年以降中断してきたが、今回9年ぶりに再開された。
愛妓峰クリスマスツリーは6・25戦争休戦直後の1953年、一人の兵士が平和を願って愛妓峰の松の木に電灯を設置したことに由来する。1964年に海兵隊が高さ18メートルのクリスマスツリーを設置したとの記録も残っており、1971年には高さ30メートルの鉄塔が設置されプロテスタント教会が毎年年末に点灯していた。2004年の南北軍事会談では点灯を中断することで合意したが、哨戒艦「天安」爆沈や延坪島砲撃などが起こった2010年に点灯式が再開された。しかし2014年に老朽化を理由に鉄塔が撤去されたため再び中断していた。
当時北朝鮮は「愛妓峰の灯塔建設とクリスマス点灯式を最後の最後まで強行するのであれば、それにより起こる後禍については全面的に責任を負うようになるだろう」と脅迫していた。愛妓峰は臨津江を挟んで対岸にある北朝鮮の京畿道開豊郡とわずか1.4キロしか離れていない最前線に位置する。
金浦市はクリスマスを迎え国学魔術、トロット、ポッペラ(ポップとオペラ)などさまざまな公演に加え、カリカチュア(人物画の一種)、ビーズのブレスレット作りなどさまざまな体験イベントも行った。金浦市のキム・ビョンス市長は「愛妓峰は金浦市民の単なる観光資源ではなく、韓半島で唯一無二の風景を観賞できる分断の歴史を抱いた象徴的な場所だ」「今後も国内各地から観光客が訪れる観光資源として造成していきたい」とコメントした。
ウォン・ソンウ記者