裁判
「売春業者に監禁された」 結婚情報アプリで助けを求めた女性の正体は30代の男だった 釜山地裁
結婚情報アプリのメッセンジャーを使って複数の男性に接近し、現金を奪ったボイスフィッシング組織の構成員に懲役刑が宣告された。この構成員は男で、女性のふりをしながら被害者らに接近したという。
釜山地裁刑事4単独(チャン・ビョンジュン部長判事)は21日、詐欺や犯罪組織への加入および組織的犯罪の容疑で起訴された30代の男に懲役1年6カ月の実刑を宣告した。男は結婚情報アプリのメッセンジャーを使い女性のふりをして複数の男性に声を掛け、ある程度親しくなった男性2人から2800万ウォン(約310万円)相当をだまし取ったという。
判決文などによると、男は2018年8月に知人の誘いを受けて中国に渡り、現地でボイスフィッシング組織に入った。この組織は結婚情報アプリなどのメッセンジャーを使って複数の男性に接近し、ある程度親しくなってから支援を求める手口で現金を奪う組織だった。
男はこの組織でメッセージアプリのメッセンジャーを使って対話を行ういわゆる「タイピングチーム」を担当した。男は女性のふりをして男性らに「今不法な売春業者に監禁されている。300万ウォン(約33万円)の違約金を払わないと出られない」などうそのメッセージを送り男性らに送金させたという。
男性たちが対話相手が本当に女性か確認しようとすると、その時だけ女性構成員を使って安心させた。だまされた男性2人は男が指定した偽名の銀行口座に総額2800万ウォンを送金したという。
判決理由について裁判長は「被告は中国で積極的に犯行に加担し、その役割や加担の程度を考慮すれば罪は重い」「ただし自らの犯行を認めて被害者らともすでに合意しており、さらに初犯である点などを考慮すれば酌量の余地もある」と説明した。
ムン・ジヨン記者