【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は19日、外交部長官候補に趙兌烈(チョ・テヨル)元国連大使(68)を、情報機関・国家情報院(国情院)の院長候補に趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長(67)を指名した。金大棋(キム・デギ)大統領秘書室長が記者会見を開いて発表した。

 趙兌烈氏は1979年に外務部(現外交部)に入り、通商交渉調整官や駐スペイン大使、第2次官などを務めた。金氏は趙氏について、「2国間、多国間外交の経験が豊富で、特に経済通商分野に詳しい」と紹介。「経済と安全保障が複合的に絡み合う国際環境の中、経済通商の専門性と外交的な感覚は韓国が直面する多様な外交懸案を解決することに大きく寄与すると考えている」と強調した。

 趙兌烈氏は会見で、「米中の戦略競争とウクライナ戦争などで規範に基づいた国際秩序が揺れ、安保と経済の境界まで崩れている」とし、「このような地政学的な亀裂に対応する時代に外交部長官候補に指名され、重圧を感じている」と述べた。そのうえで、「厳しい対外環境を賢く乗り越え、韓国外交の地位と戦略的空間、活動領域を拡大し、国家安保と繁栄の基盤を強化するため献身的な努力を尽くしたい」と表明した。

 趙太庸氏は「国情院は韓国を守る第一線に立っている国の中枢的な情報機関」として、「正確な情報を適時に提供し、韓国が正しい決定を下せるよう後押ししなければならない重大な責任を負っている」と語った。また、「国情院が世界の情報機関と比べても劣らない超一流の情報機関になるよう全力を尽くしたい」と強調した。

 外交部長官と国情院長は国会の人事聴聞会を経て正式に任命される。

 一方、大統領室は国家安保室に経済安全保障を担当する第3次長のポストを新設することを明らかにした。国家安保室の第1次長は外交、第2次長は国防、第3次長は経済安保を担当する。大統領室高官は記者団に対し、「外交と経済の関係が崩れており、特に過去の自由貿易主義で平穏だった国際経済秩序も地殻変動が起きている」として、「こうした状況で供給網(サプライチェーン)も重要のため、司令塔の役割を果たす第3次長職を新設した」と述べた。

 国家安保室長の後任については、「安保室長というポストはあまりにも重要なため、(現職の)趙氏が聴聞会まで引き続き役割を続ける」として、「もう少し人選を検討した後、準備が整い次第発表する」と述べた。

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