▲TikTokのロゴのイラスト。写真=聯合ニュース

 ショート動画交流サイト(SNS)「TikTok(ティックトック)」が、来年1月に行われる台湾総統選挙への介入を目的とする中国の認知戦(cognitive warfare)でプラットフォームの役割をしているという主張が飛び出した。

 自由時報など台湾メディアが18日に報道したところによると、こうした主張は、台湾政府のある関係者が「中国は台湾総統選挙介入に関して若者層に焦点を合わせている」として先日明らかにしたものだという。認知戦とは、敵の指揮部に偽情報を認識させ、誤った認知を基に非合理的な決定を下させたり、武器や装備の運用ミスを誘導したりする方法で、戦争を勝利に導く概念をいう。

 この関係者は「具体的には、中国が両岸(中国と台湾)間における戦争危機感の高まり、台湾の兵役政策に対する中傷や否定的な認識の増加、台湾の若者層の中国招請・交流といった親中効果の拡大などを通じ、選挙に介入しようとしている」と説明した。その上で、「中国は特に、台湾の若者層の投票が総統選挙の結果に大きな影響を及ぼすものとみており、そうした層に対する認知戦プラットフォームとしてTikTokを利用している」と強調した。

 この関係者はまた、「『両岸関係が良くないと若者層が戦場に追いやられることになる』という世論操作など、中国は認知戦を通じて、若年層の執権党政策に対する否定的見解を強化し、選挙に影響を与えようとしている」と分析した。別の関係者も「中国国営メディア『環球時報』の電子版『環球網』などが最近、台湾の与党・民主進歩党の否定的なニュースに関する一連の特別報道を通じて台湾人の不満を増幅させ、台湾の若者層に影響を及ぼそうとしている」と強調した。

 台湾の情報機関「国家安全局(NSB)」を管轄する国家安全会議(NSC)の顧立雄秘書長は今年5月、「情報セキュリティーこそ国家安保」として、台湾が毎日500万回に達するインターネット攻撃を受けていると明らかにしている。

ミン・ソヨン記者

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