政治総合
韓米が合同演習で「核作戦シナリオ」実施へ 拡大抑止強化
【ワシントン聯合ニュース】韓国と米国は米ワシントンで15日(現地時間)、拡大抑止に関する協議体「核協議グループ(NCG)」の2回目会合を開いた。会合に出席した韓国の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は、韓米両国が来年半ばまでに核戦略の企画、運用に関するガイドラインを設け、これに基づいて来年6月ごろに拡大抑止体制を構築し終えることで一致したと伝えた。ガイドラインに関連して金氏は、来年の韓米合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS、自由の盾)」など両国の合同訓練で「核作戦シナリオを含めた訓練を共に行う計画」と述べた。
7時間以上におよぶ会合の後、金氏は韓国記者団に対し、ガイドラインについて「北の核脅威をどう抑止し、対応するかに関する総体的な指針」と伝えたうえで、ガイドラインには▼核に関連するセンシティブ情報の共有方式▼セキュリティー体制の構築▼核危機の際の手続きとシステム▼両国首脳間のセキュリティーインフラ構築とリアルタイム意思疎通チャンネルの稼働――などが含まれると紹介した。
そのうえで、これまでは北朝鮮の核攻撃時に米国が「核の傘」に基づいて独自に報復するものだったとすれば、今後は韓米が最初から共に考え、準備・練習して実行することになると説明した。
金氏は「北の核脅威の発生時に、どう管理し、その危機をいかに和らげるかという具体的な計画を指針の中に含める」と話した。
また金氏は韓米の拡大抑止体制とは別に、日本を含む域内の国々と拡大抑止に関して2国間で対話することも可能だとの認識を示した。
一方、韓国政府高官はガイドラインに含まれる韓米首脳間のセキュリティーインフラ構築に関して、危機発生時に両首脳が即時に通話し、意思決定するためのシステムが構築されていると伝えたうえで「すでに両大統領に(通話用の)携帯機器が渡されている」と明かした。
韓米両国はこの日の会合後、共同声明を発表。米国が核を含むあらゆる能力を活用して韓国を防衛する拡大抑止の公約を改めて確認するとともに、北朝鮮が米国やその同盟国に核攻撃を行った場合は「金正恩(キム・ジョンウン)政権の終わりとなる」と警告した。
NCGは韓米が4月の首脳会談で設置に合意。7月にソウルで初会合が開かれた。