▲写真=UTOIMAGE

【NEWSIS】北朝鮮の両江道恵山市で牛肉を違法に流通させ摘発された男女9人が今年の夏に公開処刑されていたことが分かった。

 14日付けのデイリーNKジャパン、米政府系のラジオ自由アジア(RFA)などによると、今年8月30日に恵山市内のある飛行場の空地で男女9人が公開処刑された。

 銃殺されたのは男性7人、女性2人だった。彼らは2017年から今年2月にかけて、病死した2100頭以上の牛の肉を不法に販売したという。

 彼らは不法な牛肉流通組織を立ち上げ、平壌市内の飲食店や業者に供給していた。彼らの職業は両江道の家畜検疫所長、平壌市内の飲食店管理者、軍に服務していた大学生などだったという。

 北朝鮮では牛の私的な所有、あるいは販売は禁止されている。北朝鮮は深刻な食料難に苦しんでいるため、農作業の際に大切な牛の不法流通は重罪と見なされているのだ。

 公開処刑を目撃した住民によると、処刑の現場には2万5000人以上の周辺住民が集まったという。

 この住民は「山全体がいっぱいになるほど多くの人が集まった」「軍人によって1人ずつ銃殺された」と伝えた。

 さらに「杭に縛られた9人の銃殺が行われたあの日、周辺住民は軍人たちに囲まれた状態で銃殺の様子をしっかりと見なければならなかった」とも説明した。

 銃殺が行われた当日、恵山市内の工場、農場、市場などは閉鎖され「歩くことのできる17歳から60歳までの全ての住民が参加せよ」という命令が下されたという。

 RFAによると、朝鮮人民軍特別軍事裁判所は執行前「容疑者らは空にも地上にも埋葬する場所はない」「3代を抹殺して当然」と宣言した。

 2000年代に入ってしばらく行われなかった北朝鮮の公開処刑制度は2010年から復活したとみられる。

 北朝鮮人権団体の転換期正義ワーキンググループ(TJWG)の2021年度報告書によると、600人以上の脱北者から聞き取りを行った結果、2011年から2018年までに北朝鮮で少なくとも27回の公開処刑が行われたという。

チョン・ヘスン記者

ホーム TOP