▲ 宋永吉・共に民主党元代表。/写真=聯合ニュース

 共に民主・宋永吉(ソン・ヨンギル)元代表に対する事前拘束令状を請求した韓国検察が、およそ50ページにもなる拘束令状請求書に、宋元代表が名義借りした携帯電話で捜査状況を把握するなど証拠隠滅の状況がある、という内容を記していることが13日までに分かった。

 本紙の取材を総合すると、この事件を捜査しているソウル中央地検反腐敗捜査2部(崔宰勲〈チェ・ジェフン〉部長検事)は、宋元代表に対する拘束令状請求書において、宋元代表が「借名フォン」を用いて事件関係者らと接触するという手法で捜査状況を把握するなど、証拠隠滅の恐れがある点を強調していることが分かった。検察は、宋元代表が今年4月、パリから帰国する前に使っていた携帯電話を捨てた点や、自分の外郭後援組織である社団法人「平和と食べていく問題研究所」(モクサ研)のパソコンのハードディスクを交換した証拠隠滅の状況も令状請求書に記しているという。

 検察は、拘束令状に「全党大会の買票行為で代議民主主義の根幹を毀損(きそん)した」と適示したといわれている。宋元代表は今月8日、被疑者取り調べを終えて出てくると「全党大会は自律性が保障された党内の祭りであって、公職選挙法違反事件よりはるかに非難の可能性は小さい」と主張していた。

 検察はこの日、モクサ研後援金に関連して政治資金法違反および「特定犯罪加重処罰等に関する法律(特加法)」上の収賄、また全党大会選挙陣営での現金入り封筒ばらまき疑惑に関連して政党法違反および政治資金法違反の容疑を宋元代表に適用し、拘束令状を請求した。宋氏が党代表に選出された2021年の民主党全党大会を前に、同年4月27日と28日、宋氏の党代表選陣営が民主党の現役議員20人に対して現金入り封筒合わせて20個(計6000万ウォン=現在のレートで約660万円。以下同じ)を渡した-というのが「民主党現金入り封筒事件」だ。また、21年3月30日と4月11日には、選挙陣営の地域本部長らに現金入り封筒650万ウォン分(約72万円)が提供されたことも判明した。

 さらに宋元代表は、20年1月から21年12月にかけてモクサ研を通して、違法な政治資金7億6300万ウォン(約8400万円)の授受を行った疑いも持たれている。このうち4000万ウォン(約440万円)については、21年7月と8月に朴竜河(パク・ヨンハ)元麗水商工会議所会長から焼却処理施設関連の請託とともに受け取ったという収賄の容疑も併せて適用された。

 宋元代表の令状実質審査は、早ければ今週中に開かれる見込みだ。令状実質審査では、宋元代表の実兄である宋永天(ソン・ヨンチョン)元ソウル高裁部長判事が弁護を務める予定だという。

イ・ミンジュン記者

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