▲写真=UTOIMAGE

 米国の上院議員が、中国から輸入しているニンニクが非衛生的な環境で栽培されているとして、中国産ニンニクが国家安全保障を脅かしていると主張した。米ビジネスインサイダーや英BBCなどが10日(現地時間)、報じた。

 報道によると、共和党のリック・スコット上院議員は最近、米商務省に書簡を送り、中国産ニンニクに対する調査を要求した。中国は世界最大のニンニク輸出国で、米国は中国産ニンニクの主要な消費国だ。

 スコット議員は書簡で「海外で栽培されたニンニク、特に中国で栽培されたニンニクの品質と安全性について、公衆衛生が懸念される」とつづった。

 スコット議員は、中国がニンニクの栽培に下水と人間の排せつ物を肥料として使用している上、漂白剤を使って白くしていると主張。中国産ニンニクを「下水(sewage)ニンニク」と表現した。その上で、このようなニンニク栽培の慣行がインターネット上の動画や料理ブログ、ドキュメンタリーなどで確認できると続けた。

 スコット議員は「特定の輸入品が米国の国家安全保障に及ぼす影響を確認するために、調査を開始することができる」という通商拡大法に基づき、商務省が措置を取るべきだと主張。その上で「食料の安全は国家の安保、公衆衛生および経済的繁栄に深刻な脅威をもたらす」と指摘した。

 ただし、2017年にカナダ・ケベック州にあるマギル大学の社会科学部が発表した資料によると、中国でニンニク栽培の肥料に下水を使っているという証拠はないという。BBCが伝えた。この資料には「人間の排せつ物は動物の排せつ物と同じように効果的な肥料であり、農作物を栽培する畑で人間の排せつ物を肥料として使っても安全だ」という内容も盛り込まれている。

 中国側も、スコット議員の主張には根拠がないとの立場だ。

 中国官営の英字紙「グローバルタイムズ」は11日付の社説で「書簡には愚かな内容が多数含まれており、『米国の上院議員』の職業倫理に対する認識が低下し、スコットは国際的な笑いものになった」「西洋の吸血鬼伝説を除いては、ニンニクに対してこのような根拠のない恐れを抱く人はめったに見当たらない」とスコット議員の主張を皮肉った。

 同メディアは「中国は、使われている肥料と灌漑(かんがい)用水だけでなく大気の質も含め、輸出ニンニクの安全技術栽培基準を厳格に順守している」と主張した。

 その上で、スコット議員の問題提起が「中米(米中)関係の厳しい現実を反映している」と指摘した。さらに、米国では根拠のない問題提起によってささいな問題を安全保障と結びつけることが何度もあったとして「今や陰謀論の温床となり、米国という国のイメージを傷つけ続けている」と続けた。

キム・ジャア記者

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