社会総合
韓国の大学推薦入試、6割は定員割れ…四年制大学202校の競争率を全数調査
少子化によって今年の大学入試の随時募集(推薦入試)で全国の四年制大学の10校に6校が事実上の「定員割れ」となったことが分かった。少子化の影響で受験者数が減っており、新入生募集の時点で定員割れする事態に直面している大学は日増しに増加する見込みだ。随時募集で受験する学生は、浪人生よりも現役受験生の方が多いものの、今年の高校3年生の受験生は昨年に比べて約2万4000人減となった。
12月6日、本紙が全国の一般大学や科学技術院、教育大学など202校の随時募集の競争率を全数調査した結果、競争率が6対1に満たない大学が120校に上った。1人の受験生が6カ所に願書を出せることから、競争率が6対1を下回るのは定員割れにほかならない。1対1未満のところも16校に上った。主に宗教関連の大学だが、志願者が1人(入学定員16人)だけの神学大学もあった。
四年制一般大学のうち3校が競争率で1対1を下回った。済州道のA大学は362人の定員に対し志願者は84人だった。競争率は0.23対1に過ぎない。教育部(日本の省庁に当たる)は、同大学の理事会の不手際などを理由に臨時で理事を派遣している。昨年の新入生も33人にとどまったことから、定員充足率は8.9%だった。慶尚北道地域のB大学の場合、競争率は0.65対1、C大学は0.74対1にとどまった。これら3校は今年、教育部の「財政支援制限大学」に指定された。学生たちの教育がまともに行われず、廃業を余儀なくされているものの、私立大学は学校施設などの残った財産を処分することが容易でなく、残された財産を国家に返還しなければならないため、私学財団が先送りしている。学生が少なくなったとしても、授業料を受け取っている方が「まし」といった判断からだ。そのため、経営困難に陥った大学が、新入生を引き続き受け入れることで、「被害を受けるのは結局、新入生」と指摘する声も聞かれる。
済州のある大学の関係者は「済州の学生たちは本土の大学に進学するが、反対に本土から済州の大学にやって来るケースが少ないため、新入生募集には毎年、頭を悩ましている」と肩を落とす。慶北のある私立大学の関係者も「以前は蔚山の学生たちが慶北の大学に進学してくるケースも見られたが、最近ではソウルか釜山へ行く」とし「釜山も新入生募集は容易でなく、慶北にまで大学の宣伝に来るのが現状」と話した。地方に行けば行くほど、学生そのものがいないというわけだ。
随時募集の競争率が6対1に満たず、事実上の「定員割れ」となった大学(120校)は、昨年に比べて10校増えた。120校のうち98校が非首都圏に存在する。全国の四年制国立総合大学や科学技術院など計34校のうち17校が、競争率で6対1を下回った。このうち、韓京国立大(京畿)を除いた16校は非首都圏の国立大だった。最も低い所は全羅北道の国立群山大学で、競争率は3.14倍だった。このほか、安東大、順天大、金烏工科大、木浦海洋大、木浦大も競争率が3点台だった。全国の教育大学10校のうち8校で、競争率が6対1を割り込んだ。釜山教育大は6.76対1と競争率が高かったが、これは釜山大学との統合計画が表面化したことによる影響と思われる。釜山大学と釜山教育大学は、統合を前提に教育部から5年間で1000億ウォン(約110億円)の支援を受ける。
大学の定員割れは今後さらに深刻化する見通しだ。2021学年度から大学の定員(短大を含む)が大学修学能力試験(修能、日本の大学入学共通テストに相当)の受験生よりも多いといった現象が起こり始めた。今年も大学入試の定員は51万8884人だが、大学入試の受験生は50万4588人にとどまった。これさえも浪人生が30%を占め、現役の高校3年生の受験生は32万6000人に過ぎない。35年には大学に行ける満18歳の高校3年生の人口が38万6000人に急減する。38年には29万1000人と、30万人台を割り込むことが予想されている。専門家たちは、人口絶壁(国家人口統計グラフが急激に下落する現象)に直面する前に大学の構造調整を急がなければならないと強調している。
崔銀京(チェ・ウンギョン)記者