社説
「親プーチン」を反省したドイツの社民党、「親金正恩」の韓国・民主党は?【12月13日付社説】
ドイツの執権与党であるドイツ社会民主党では、過去の同党の親プーチン政策について「明白な誤り」と言った。同党は10日に閉幕した党大会決議文で、「『ロシアとの経済協力を強化すればロシアは民主化する』という党の仮定は間違いだった。ロシアが主権国を征服・抑圧する限り、関係正常化を拒否する」と述べた。そして、「軍隊は平和を守るための政策的手段だ」として、安保における主導的な役割と武器産業の非効率性克服を強調した。再武装と軍備拡充を通じ、欧州防衛の先頭に立つということだ。
社会民主党の親ロシア政策のルーツは、1970年代のブラント首相の東方外交だ。同首相の東方外交は単なる親ロシア政策ではなく、国家戦略だった。しかし、同党はその後、親ロシア・親プーチンに傾き、ロシア産天然ガスの輸入に乗り出した。シュレーダー首相時代の2002年には脱原発法まで作った。これによるエネルギー不足分を埋めるため、ロシアとドイツを結ぶ超大型ガスパイプライン事業を開始した。その結果、欧州全体がロシアの天然ガスに依存するようになった。その後、プーチン大統領は何かというとすぐにガス管のバルブを閉めて欧州をもてあそんだ。同党の親プーチン・親ロシア政策はロシアの民主化につながるどころか、プーチン大統領のエネルギー兵器化をあおっただけだったのだ。プーチン大統領は「自分がウクライナを侵攻しても欧州はなすすべがないだろう」と判断するようになった。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州では「ドイツ責任論」が巻き起こった。ロシアの天然ガスに依存してきたドイツ企業は莫大(ばくだい)な打撃を受けた。「欧州の経済エンジン」と呼ばれていた製造業強国ドイツは、今や「欧州の病人」とあざけられている。社会民主党の反省はこうした内外の指摘・批判を受け入れた結果だろう。同党が自分たちの政策の失敗を認め、国民に謝罪したのは責任政治という面で当然のことだ。しかし、韓国政治と比べると、驚くと同時にうらやましい光景だ。
一方、韓国の民主党と、その流れをくむ共に民主党は「北朝鮮を支援すれば北朝鮮が改革・開放に乗り出し、核を放棄する」という、いわゆる太陽政策に20年以上追従している。約20年前、100万人以上の餓死者が発生するなど、ほぼ国がつぶれかけていた北朝鮮は、民主党政権の大々的な支援で生き返り、核開発に成功した。民族の未来に核という暗雲が垂れ込めているのにもかかわらず、太陽政策の過ちを反省・謝罪するのではなく、北朝鮮の核を弁護・擁護し、親金正日(キム・ジョンイル)、親金正恩(キム・ジョンウン)政策を続けている。
北朝鮮・中国・ロシアのような専制的独裁集団とも対話し、交渉していかなければならないのは事実だ。しかし、これは親北朝鮮・親中国・親ロシア政策とは違うものでなければならない。民主党の代表団は2006年、北朝鮮が核実験を行った直後に北朝鮮を訪問し、北朝鮮政権の人物たちと踊ったこともあった。民主党から「太陽政策により国民を核の脅威の下にさらすことになった」という反省の弁を聞くことになれば、金正恩総書記も考えを改めるだろう。