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「CH-47で空母・山東に着陸せよ」 中国の情報当局、台湾現役将校に亡命を提案していた
【NEWSIS】中国の情報当局が、台湾の将校級の空軍パイロットに対し、「チヌーク」ことCH-47ヘリコプターで中国の航空母艦に着陸する形で中国に帰順(亡命)するよう懐柔していたことが分かった。ただし、台湾当局が事前に摘発したためこの陰謀は未遂に終わった。
台湾メディアCTWANTなどは11日、公開された起訴状を引用し、中国の情報当局による台湾人将校懐柔事件を報じた。
起訴状によると、中国の諜報(ちょうほう)員らは現役の台湾軍中領(中佐)に接近し、訓練中にCH-47ヘリで中国の空母「山東」に着陸する形での亡命を提案した。
実際に「山東」は6月21日に台湾海峡を通過したが、そのタイミングで亡命するよう中佐に提案したのだ。
中国側はこの見返りに中佐に1500万ドル(約22億円)を渡すことと、本人と家族がタイの永住権を取得できるよう支援することを約束していた。
中佐は今年7月、中国の諜報員とのビデオ会議で具体的な犯行計画を練ったという。
ただし台湾の検察当局がこの情報を入手して調査に乗り出し、中佐は8月にスパイ容疑で逮捕されたため、計画は未遂に終わった。
この事件が今になって騒がれているのは、台湾軍の綱紀の緩みを正し、中国の浸透に対する対応能力の強化を目指す台湾当局の意図によるものだとみられている。
今回の事案について、立法院での聴聞会で立法委員(国会議員)による厳しい声が相次ぐ中、台湾の邱国正国防部長(国防相)は深く謝罪し「今回の事案を確認し、関係者を処罰したが、その過程で胸が痛かった」と述べた。
台湾国防部も声明で「軍と保安機関は内部調査を実施し、司法府の調査に全面的に協力する」と明らかにした。
ムン・イェソン記者