▲イラスト=UTOIMAGE

 パレスチナ武装勢力ハマスがイスラエル上空に向けて発射したロケット弾を、イスラエル軍がアイアンドームで迎撃している最中、イスラエルの航空会社「アルキア」の旅客機が首都テルアビブのベン・グリオン国際空港に無事着陸した。

 今月8日(現地時間)、エイラート発テルアビブ行きアルキア機の乗客は、飛行機がテルアビブのベン・グリオン国際空港へ降りていく間、危険でひやりとする経験をしたという。10日にイスラエル・メディア「エルサレム・ポスト」などが伝えた。

 着陸のため降下する飛行機の窓から乗客が目撃したのは、イスラエルのアイアンドーム・システムがハマスのロケット弾を迎撃している場面だった。当時オル・イェフダ、リション・レジオンを含む国際空港周辺の町では空襲警報のサイレンが鳴り響いたという。テルアビブ、レホボト、バト・ヤムもミサイル攻撃の標的になった。なお、死傷者は発生しなかった。

 ハマスのロケット弾とアイアンドームが乱れ飛ぶ夜空を、旅客機が空港の滑走路に向かって降下していく様子が、ありのまま動画に収められた。また、乗客が機内から窓の外の状況を撮った動画には、アイアンドームがロケット弾を迎撃する様子が収められていて、乗客らはこれを怖がりつつも驚く反応を見せた。

 アイアンドームの正確な照準能力のおかげで、パイロットは何の妨害も受けることなく安全に着陸を終えることができた、と同メディアは伝えた。以前と違い、当局は飛行機に着陸を中止せよという指示も下さなかったという。

 イスラエルが設計したアイアンドームは短距離ロケットや迫撃砲の破壊を目標としたミサイル防衛システムで、イスラエルは「過去12年間のアイアンドームの迎撃成功率はおよそ90%に達する」と主張している。

 イスラエルの退役空軍司令官、エイタン・ベン・エリヤフ氏は現地メディアのインタビューで「戦闘機とは違い、旅客機はミサイルを迅速に回避できる敏しょうさが足りない」としつつ「ただし、パイロットはエンジン出力を上げてもっと高度を上げ、別の滑走路に着陸したり、燃料が十分にある場合は別の空港に着陸することができる」と説明した。

イ・ヘジン記者

ホーム TOP