社会総合
韓国人生徒間の「数学力」格差、OECD加盟国の中で最も深刻
経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した学習到達度調査(PISA)で、韓国人生徒の数学の成績に見受けられた二極化現象がOECD国家の中で最も深刻であることが分かった。今回の評価は、昨年OECDにより全世界81カ国の満15歳69万人を対象に実施された調査を基に出された。OECDは数学、読書、科学の三つの領域について3年ごとに評価を行っているが、コロナ禍の影響で当初の予定よりも1年遅れで評価がまとめられた。
12月5日に公開された評価結果によると、韓国は全参加国のうち数学の領域で3-7位だった。前回調査した2018年の順位(5-9位)よりもランクアップしていた。順位は平均点数や誤差などを考慮し、最上位と最下位を推定した範囲で表示する。ところが、生徒たちの数学の成績を等級別に分けたところ、上位圏の占める割合は21.4%から22.9%へと増えていた。また、下位圏の占める割合も15.0%から16.2%へと上昇していた。生徒間の数学の成績における偏差水準を示す「校内の分散割合」(98.1%)は、OECD平均(68.3%)をはるかに上回っていた。調査対象となった81カ国のうち、マルタ(99.7%)に次ぐ結果だ。先行学習の影響で数学の最上位圏に属する生徒が増えている一方で、早くから数学を諦めてしまう生徒も増えるなど、格差拡大を示す分析結果へとつながった。
一方、今回の評価で韓国は数学のほかにも、読書(2-12位)や科学(2-9位)でも順位が上昇した。2018年は読書が6-11位、科学が6-10位だった。これにより韓国の順位は約10年ぶりに小幅上昇したことになった。韓国は2006年に読書が1位、数学が1-4位など、最優秀グループに属していたものの、09年以降は順位が下落基調へと反転した。教育界は「左翼的傾向を持つ教育監が学力評価を縮小し、全般的に生徒たちの学力に著しい低下が見られた」と指摘する。今回の評価を統計的な観点で見た場合、韓国の平均点数は前回の調査に比べてそれほど上向いたわけではなかった。コロナ禍の影響が他の国に比べて相対的に少なかったため順位が上がった、というのが当局の見解だ。
崔銀京(チェ・ウンギョン)記者