【世宗聯合ニュース】中国の税関が韓国への産業用尿素の輸出手続きを突然停止したことについて、韓国産業通商資源部の崔南浩(チェ・ナムホ)報道官は4日の記者会見で、「政治的な背景はないことを確認した」と述べた。

 韓国政府はベトナムや日本などから輸入される物量などを合わせて約3カ月分の使用量が確保された状況であり、今回の輸出制限が国内での供給不足につながる可能性は低いとみている。

 ただ2021年に中国の輸出制限でディーゼル車の排ガスを浄化する「尿素水」が不足する事態が起きたこともあり、中国の今回の措置が長期化した場合に備えて様々な対策を講じているという。

 韓国で肥料用の尿素は中国への依存度が20%以下である一方、ディーゼル車に必要な尿素水は中国への依存が90%程度と高い。

 韓国政府はこの日午後、産業通商資源部や企画財政部などの関係官庁と尿素輸入企業の関係者を集め、国内市場の状況を点検し、ベトナムなど尿素の輸入先の多角化や政府の備蓄拡大など対策について協議した。また、中国の税関を通過したものの船積みが行われていない尿素が支障なく韓国に届くよう、中国政府と協議していくことを確認した。同日、北京で開かれた韓中自由貿易協定(FTA)共同委員会でも尿素の輸出制限について懸念を伝えた。

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