韓国空軍第17戦闘飛行団所属のF35A/韓国空軍提供=聯合ニュース

 昨年1月に上空でハゲワシと衝突し、機体が損傷した第5世代最新鋭ステルス戦闘機F35Aが導入からわずか2年で退役する。修理費用が新たに購入する費用を上回ることが分かったためだ。

 韓国空軍は11月30日の装備淘汰審議委員会で、上空で鳥と衝突して胴体着陸し、機体が損傷した1機のF35Aの退役を決めた。韓国空軍が1日に明らかにした。

 2020年に韓国空軍に導入されたこの戦闘機は昨年1月、清州基地から射撃場に向かうため高度約330メートルで飛行中にハゲワシと衝突した。

 鷲は左側の空気吸入口に吸い込まれ、離着陸の際に機体を制御するランディングギア作動油圧導管などが破損した。同機はランディングギアが作動しない状態で瑞山基地の滑走路に胴体着陸し、幸いパイロットの命に別状はなかった。

 この事故後、韓国軍が米政府関係者や機体を製造したロッキード・マーティン社などと共同で詳しく調査を行った結果、機体、エンジン、操縦・工法系統の部品など複数の箇所で損傷が見つかった。それらの修理・復旧の費用は約1400億ウォン(約160億円)と見積もられたが、これは新たに購入する際に必要な1100億ウォン(約120億円)を上回るものだった。

 しかも修理には4年以上要し、修理後の安全性検証手続きも簡単ではないことから、この戦闘機は退役やむなしとの結論が出された。

 航空機の退役は韓国軍合同参謀本部の審議と韓国国防部(省に相当)の承認を経て最終決定となる。退役後の機体は整備士の訓練に活用する方向で検討されている。

 韓国空軍の関係者はチョソン・ドットコムの電話取材に「国防部の承認手続きがまだ残っているが、特に問題がなければ空軍の決定が覆ることはないだろう」と説明した。

 韓国空軍は2019年から合計40機のF35Aを導入し運用している。

キム・ミョンイル記者

ホーム TOP