【東京聯合ニュース】韓国の尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使が1日、日本政府が世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」(新潟)を訪問した。大使館が同日伝えた。

 大使館によると、駐日韓国大使が同地を訪れたのは初めて。

 尹氏は佐渡金山の主な坑道や、鉱石を選別する施設があった北沢地区、資料館などを視察した。

 また朝鮮半島出身者の寮や共同給食施設があった場所を訪問し、強制労働の犠牲者を追悼した。

 日本政府は佐渡金山の世界文化遺産登録を巡り、対象期間を16~19世紀に限定することで日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた歴史を意図的に排除することで、遺産が持つ「全体の歴史」から目を背けているなどの批判を受けている。

 大使館によると、これと関連して尹氏は、同じく朝鮮半島出身者の強制労働があった長崎市の端島炭坑(軍艦島)などを含む「明治日本の産業革命遺産」と類似し、戦時中の強制労働のつらい歴史がある場所であるため、歴史全体を反映することが重要と改めて認識したという。 また両国間に存在するつらい歴史を直視することが未来志向の関係の礎になるという点を踏まえ、世界遺産に登録される際には強制労働を含めた全体の歴史が反映されるよう、日本側と対話を続ける方針も改めて示した。 佐渡金山の世界遺産登録の可否は2024年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で決まる見通しだ。 このほど世界遺産委員会の委員国に選出された韓国は委員国として27年まで活動するため、日本をけん制し、韓国の立場を積極的に表明できるとの見方も出ている。 一方、尹氏は前日、新潟県で日本人拉致被害者と面会し、別の被害者が北朝鮮に拉致されたと推定される場所を訪問したという。

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