▲共に民主党の徐瑛教最高委員/聯合ニュース

 「そんな類いのことを言う方がどんな方なのか分かっていないでしょう」

 「まるでクリーンなふりをして、国民をごまかすことは間違っていると思います」

 韓国の韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官が11月22日、共に民主党の徐瑛教(ソ・ヨンギョ)最高委員の「過去」に言及した部分だ。同日午前、民主党最高委員会の冒頭発言で、徐最高委員が韓長官について6回も言及し、「警告する」「責任を問う」と批判すると、韓長官が徐氏の前歴を取り上げて反撃したのだ。

 韓長官の発言に基づき、徐氏を巡る事件を整理してみた。

(1)「その方も運動勢力出身の非常に代表的な政治家ですね」

 1964年慶尚北道尚州で生まれた徐最高委員は、83年梨花女子大政治外交学科に入学。86年に総学生会長を務めた。当時学生運動で生じた前科がある。87年4月、国家保安法と集会デモ法違反で懲役1年、執行猶予3年、資格停止1年を言い渡され、同年7月に特赦された。

 徐最高委員は過去の広報物でそうした前科について、「総学生会長時代、全斗煥(チョン・ドゥファン)軍部独裁政権に対抗し、反独裁民主化運動を主導して投獄された」と釈明している。

(2)「補佐陣を親族で固めた方ではないですか」

 徐最高委員は娘ときょうだいを相次いで補佐陣として採用し、税金で月給を支給、「氏族議員室」と皮肉られた。

 徐最高委員が大学を休学中だった娘を5カ月間インターン秘書として採用した事実は2016年6月になって発覚した。15年には実のきょうだいを5級秘書官として採用し、非難を浴びた。

 国民の税金が使われる補佐官に家族を採用したからだ。当時の基準でインターン秘書の年収は1761万ウォン(約202万円)、5級秘書官の年収は6805万ウォンだった。

 後援会の会計責任者も兄だった。首都圏のある大学教授だった徐最高委員の実兄は、徐最高委員の後援会に会計責任者として登録し、計2760万ウォンの報酬を受け取った。

 そうした問題が相次いで明らかになり、徐最高委員は2016年7月、自ら離党したものの、1年2カ月後に復党した。

(3)「補佐陣の給料から後援金を天引きした方ではないですか」

 補佐陣の賃金を後援金に転用していたことは「氏族議員室」問題の釈明過程で意図せず自白したことで明らかになった。

 当時、徐最高委員は「本来勤めていたインターンが突然辞めたため、仕事を手伝ってくれていた娘がインターンとして勤めることになった」とし、「娘の給与は個人的に使わず、再び後援金として拠出した」と発言した。

 補佐陣を採用するために支給された人件費を自分の後援金に充てたことになる。

 「家族」ではない補佐陣の給与の一部も後援金口座に流れた。

 自身が採用した4級補佐官から2015年5~9月に毎月100万ウォンずつ計500万ウォンを後援金として受け取った事実が明らかになったのだ。徐最高委員は「自発的な後援」だったと釈明した。

 当時、徐最高委員は政治資金法違反疑惑で告発され捜査を受けたが、検察は証拠不十分で嫌疑なしとした。

(4)「知人の子の刑事事件に国会派遣判事を呼んで圧力をかけた方ではないですか」

 徐最高委員は15年5月、国会に派遣されていたK部長判事を自室に呼び、知人の息子L氏が「強制わいせつ未遂」で起訴されたことについて、善処を求めた。

 請託内容はK部長判事を通じ、イム・ジョンホン元法院行政処次長に報告され、当時の文容宣(ムン・ヨンソン)ソウル北部地裁長を経て、L氏の裁判を担当した判事に伝えられたという。

 これは2019年1月、検察の「司法行政権乱用」疑惑事件の捜査過程で明らかになった。当時イム元次長に対する検察の訴状がマスコミに公開されたが、そこに徐最高委員による請託の事実が含まれていたのだ。

 徐最高委員は当時、民主党院内首席副代表だったが、この請託疑惑で辞任した。

キム・ミョンジン記者

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