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板門店で北朝鮮軍が拳銃携帯 JSA非武装化も破棄
【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)で、北朝鮮軍が拳銃を携帯して警備に当たっていることが28日、分かった。JSAでの非武装は、南北が2018年に結んだ軍事合意に基づく措置だ。北朝鮮は同合意の事実上の破棄を宣言した後、非武装地帯(DMZ)で監視所(GP)の復元に着手したのに続き、JSAで武装していることが確認された。
韓米の複数の軍関係筋によると、JSAで北朝鮮の警備兵は先週から拳銃を携帯して勤務している。韓国の警備兵はまだ非武装を維持している。JSAを管轄する国連軍司令部は北朝鮮軍の動向を注視しながら、対応に頭を悩ませているもようだ。
北朝鮮軍がJSAで武装状態を維持する場合、韓国側が再武装する可能性もある。
韓国政府は22日、北朝鮮による前日の軍事偵察衛星打ち上げを受け、南北軍事合意のうち飛行禁止区域設定に関する効力を停止した。すると北朝鮮は翌日に同合意の事実上の破棄を宣言。24日以降、合意に基づき撤去・撤収してあった11カ所のGPに兵力を投入し、監視所を再設置した。無反動銃などの重火器も搬入している。
朝鮮半島西側、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い北朝鮮の海岸では砲門を開けた海岸砲が増えたようだ。韓国軍当局によると、北朝鮮軍は日ごろ1~2カ所の砲門を開けているが、最近は10カ所以上に上る。南北軍事合意では、黄海NLL付近で海岸砲の砲門を閉じることになっている。
韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は28日の定例記者会見で、北朝鮮が南北軍事合意に基づいて取った措置を元に戻していることについて「わが軍は北の動向を鋭意注視しながらそれに相応する措置などを取っていく」と述べた。
軍合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長も「韓米の情報当局は北の活動を鋭意注視しつつ、相応の対応措置を検討している」と説明した。「対応措置」の内容を尋ねられると「必要な措置などを順にきちんと進めていく」と述べ、具体的な回答は避けた。