【パリ聯合ニュース】韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相はフランス・パリで27日(現地時間、以下も)、2030年国際博覧会(万博)の開催地を決定する博覧会国際事務局(BIE)総会を翌日に控え、韓国記者団と懇談会を開いた。韓氏は、南部・釜山への万博誘致を目指して政府と民間、国会議員が一緒になってBIEの182加盟国の大半と接触したと説明し、「終了の鐘が鳴るまで政府と民間が共にベストを尽くす」と述べた。

 30年万博の開催地は、パリで28日に開かれるBIE総会で加盟国の無記名投票により決定する。開催地には釜山のほか、サウジアラビアのリヤド、イタリアのローマが名乗りを上げている。

 韓氏は26日午後にパリ入りし、万博の釜山開催への支持を訴える外交活動を行ってきた。韓国の代表団は、28日も投票直前まで1票でも多く得るための交渉を行う予定だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領もパリへ向かう韓氏に「試合終了のホイッスルが鳴るまでベストを尽くしてほしい」と求めたという。

 韓国は28日の投票前に実施される最終プレゼンテーションで、釜山万博が人類の共通課題の解決に向けた「連帯のプラットフォーム」になると訴える方針だ。政府は「最終プレゼンテーションでは約10年間におよぶ韓国国民と政府の誘致への努力と熱意、釜山の魅力、参加国への支援策など、釜山万博ならではの強みをアピールする」と説明している。

 政府はプレゼンテーションの登壇者を明らかにしていない。韓氏をはじめ誘致活動に取り組んできた政府・財界の要人や国際的な影響力のある人々がそろって登壇し、釜山での万博開催の妥当性を訴えるとされる。

 BIE総会では、1回目の投票で3分の2以上を得票した国があれば、その国が開催国に決まる。3分の2以上を得た国がなければ上位2カ国による決選投票が行われる。

 韓国は1回目の投票でイタリアを抑え、決選投票で欧州諸国の票を取り込んでサウジアラビアに勝つという「逆転」シナリオを思い描いている。

 韓国は誘致レースへの参入がサウジより遅く、サウジほど宗教や地域に基づいて得られる票がないため劣勢とも評価されている。これまでの開催地決定投票では、1回目で得票が多かった国が決選投票でも勝利した。

 だが、前例を覆して韓国が決選でサウジに勝てば、それこそ歴史に残る大逆転劇となる。BIEの内部でも「今回の競争はこれまでと様相が異なる」との見方があるという。誘致活動に詳しい政府の高官らは、官民が一体となってほぼ全ての加盟国と接触し、誠実に説得を続けてきたため、決選投票でサウジを逆転できると口をそろえる。 投票が順調に進めば、最終結果は日本時間の29日午前0時半ごろに出ると予想される。

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