【ソウル聯合ニュース】韓国政府は22日、麻薬など違法薬物への対策をまとめた「麻薬類管理総合対策」を発表した。東南アジアなどからの入国者を対象にした薬物の全数検査実施や、医療用麻薬の処方制度の見直しなどを盛り込んだ。

◇東南アジアなどからの入国者 飛行機降りてすぐに薬物検査

 対策によると、政府は東南アジア諸国など薬物犯罪の多い国から入国する旅行者を対象に薬物の全数検査を実施する。新型コロナウイルスの流行により航空便が減ったことで中断していた全数検査を再開し、海外からの薬物の持ち込みを防ぐ。

 検査のタイミングも従来の入国審査後から審査前に変更し、入国者が飛行機を降りてすぐに持ち込み手荷物と身体の検査を行う。政府は、これにより入国者対象の検査率を現在の2倍以上に引き上げる計画だ。

 空港の検査機能も強化する。3秒で全身をスキャンできるミリ波検査装置を来年までに全国の空港に設置し、服の中や体内に隠した少量の薬物も見つけられるようにする。

 このほか、薬物犯罪の多い国からの宅配便や国際郵便については集中検査を実施する。

◇医療用麻薬の処方基準を厳格化 目的外処方の医師を資格停止に

 政府は麻酔剤や睡眠剤などの医療用麻薬の処方制度を見直す。医師が医療用麻薬を処方する際に守るべき処方量・回数などの基準を厳しくするとともに、処方時に患者の投薬歴の確認を義務付け、患者が複数の病院を回って大量の医療用麻薬を入手することを防ぐ。

 また、医療目的以外で医療用麻薬を処方した医師に資格停止処分を下せるよう制度を見直す方針だ。

 方基善(パン・ギソン)国務調整室長は「政府は麻薬類の広がりへの対応に総力を挙げる。韓国が『麻薬清浄国』の地位を回復し、未来世代の子どもたちが日常で麻薬に接することができないよう最善を尽くす」と話している。

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