尹錫悦政権
尹大統領「英国にはビートルズとベッカム、韓国にはBTSと孫興民」 英議会で英語スピーチ
英国を国賓訪問中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日(現地時間)、英国議会で「挑戦を機会に変える両国の友情」というタイトルの英語のスピーチをした。尹大統領この中で、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の一節を引用し、「私たちの友情が幸せを招き、私たちが直面している挑戦を機会に変えてくれるだろう」という表現でスピーチを終え、この最後の部分を取ってタイトルを付けた。
尹大統領は、英国が自由民主主義と市場経済の秩序を胎動させ、これを全世界に広め、人類の自由と人権の伸張、飛躍的な成長と繁栄に多大な影響を及ぼした点に触れつつ、スピーチを開始した。そして、そうした英国の中心には常に議会があったと強調した。
尹大統領は韓英関係の過去・現在・未来の姿を凝縮して説明した。
過去について、尹大統領は「両国が1883年に修好通商条約を締結して以降、英国人宣教師のジョン・ロスやフランク・スコフィールドらは韓国の貧しい人々を世話することに献身し、アーネスト・ベセル記者は『大韓毎日申報』を創刊、韓国の独立運動に寄与した」と述べた。
尹大統領はまた、韓国戦争(朝鮮戦争)で英国が世界で2番目に多い約8万人の軍隊を韓国戦争に派兵したことに感謝の意を表した。臨津江の雪馬里戦闘で輝かしい功績を立てたジェームズ・カーン中佐率いるグロスター第1大隊出身のコリン・サッカレー氏(93)を直接議会に招き、大韓民国政府と国民を代表して感謝の意を表した。サッカレー氏は2019年、英国の公開オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で過去最高齢の優勝者となった有名人だ。
尹大統領は今年、韓英修好140周年を迎えるにあたり、今回の国賓訪問で採択される「ダウニング・ストリート・アコード(ダウニング街合意)」を通じ、「韓英両国は国防・安保、科学技術、貿易、人的交流、エネルギー・気候変動など全分野にわたって協力を拡大・深化させ、真の『グローバル戦略的パートナー』に生まれ変わった」と述べた。
尹大統領はさらに、韓英関係の未来について語ったスピーチの後半で、英国の歴史学者アーノルド・トインビーの言及を引用し、「押し寄せ続ける新たな挑戦に対し、韓英両国は緊密に連帯し、応戦していかなければならない」と言った。
また、ウクライナ侵攻、中東情勢、北朝鮮の核の脅威といった地政学的リスク、サプライチェーンやエネルギー安保危機などの地経学的リスク、気候危機、デジタル格差のようなグローバルな懸案に対して、韓英両国が協力し、共同で対応しようとも述べた。
尹大統領は挑戦に応戦していく過程で、チャーチル元英首相の「偉大さの代償は責任だ(偉大な力には、偉大な責任が伴う)」という言葉も引用した。
そして、「英国がビートルズ、クイーン、ハリー・ポッター、そしてデービッド・ベッカムを持つ国なら、韓国はBTS(防弾少年団)、BLACKPINK(ブラックピンク)、イカゲーム、そして孫興民(ソン・フンミン)を持つ国だ」と述べ、両国が持つ文化の魅力をベースに文化協力と人的交流を活発にしていこうと提案した。
金泰孝(キム・テヒョ)韓国国家安保室第1次長は記者会見で、「尹大統領の英国議会のスピーチは、自由民主主義の産室であるウェストミンスター宮殿で、大韓民国と英国が普遍的な価値を共有する友好国として共に切り開いていく未来の姿を象徴的かつ具体的に盛り込んでいる」と述べた。
ロンドン=キム・ドンハ記者