▲イラスト=UTOIMAGE

 スポーツタイプ多目的車(SUV)の運転席に誰もいないまま韓国の高速道路を走行している様子を撮影した動画がンターネット上に掲載された。この車の持ち主は、車の走行補助機能(スマート・クルーズ・コントロール)をつけたまま後部座席で自ら撮影したものとみられる。この動画をネットで見た人々は「単なる走行補助機能をまるで完全自動運転機能であるかのように勘違いした危険な行為だ」と批判している。

 20日、あるインターネット・コミュニティー・サイトに「今、騒動になっている蔚山高速道路自動運転動画」というタイトルでこうした様子が写っている動画が拡散された。この動画は、写真交流サイト(SNS)「インスタグラム」ユーザーの車の持ち主が自身のアカウントに掲載したものの転載とみられる。車の後部座席に座って撮ったものと思われる該当の動画には、この車がドライバーのいないまま高速道路を10秒以上走る様子が写っている。車のスピードメーターには時速100キロメートルと表示されていた。撮影者は動画をアップロードする際、「この動画は安全に撮影した」と投稿した。

 この車は韓国の自動車メーカーのSUVで、スマート・クルーズ・コントロール(車両前方に装着されたレーダーを使用して一定速度で走り、前の車との間隔を適切に維持するシステム)という走行補助機能があるという。これは自動運転の第2段階に該当するとのことだ。第2段階自動運転は車の加速と減速、ステアリング(方向調節)を制御するが、ドライバーは危険な状況に備えて手動で運転する準備を必ずしていなければならないため、完全自動運転とは程遠い。

 この機能が付いている車の場合、一定時間ハンドルを握らないと警告音が鳴る機能がある場合がほとんどだ。同機能を使用する場合も、ドライバーは必ずハンドルを握って前方を注視し、道路交通法を守りながら運転しなければならない、とメーカーでは言っている。

 この動画をネットで見た人々は「危険すぎる。事故が起こったら人に被害を与える行為だ」「走行補助機能を盲信しすぎているようだ」「警察に通報しなければならない」と懸念の声を上げている。また、一部の人々は「自慢しようとして事故を起こしかねない」「こういう人は一生、免許を剥奪しなければならない」「なぜあんな行動を取るのか理解できない」と、怒りを抑えきれない様子だ。

 同じ車を所有しているとみられる人は「この車は走行補助機能はあるが、当然ながら機能実行中もハンドルを握っていなければならず、カーブで時々、車線を外れることがあるため注意しなければならない」と投稿した。

 道路交通法第48条1項によると、すべての車の運転者は車両ステアリング装置・制動装置・その他の装置を正確に操作して他人に危険や障害を与える速度や方法で運転してはならない、とされている。道路交通法第50条の21項・第156条第6の2号によると、完全自動運転システムを備えていない自動運転車の運転者は、当該システムの直接運転要求に遅滞なく対応し、ステアリング装置などを自ら操作して運転しなければならず、これに違反した場合、20万ウォン(約2万3000円)以下の罰金や拘留または過料に処せられる。

イ・ヘジン記者

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