▲9日に曹渓寺で行われた出版記念会であいさつする宋永吉・共に民主党元代表。/News 1

 宋元代表と共に国会入りした運動圏出身の議員は、第16代総選挙で当選した任鍾晳(イム・ジョンソク)元議員(当時34歳)、第17代の趙正湜(チョ・ジョンシク)現民主党事務総長(当時41歳)、禹相虎(ウ・サンホ)議員(同41歳)、尹昊重(ユン・ホジュン)議員(同41歳)、李仁栄(イ・インヨン)議員(同40歳)、鄭清来(チョン・チョンレ)議員(同39歳)らだ。任鍾晳氏は51歳で大統領秘書室長になった。

 野党界隈でも「86世代不要論」「交代論」がささやかれているが、宋元代表をはじめ86世代の政治家のほとんどは来年の総選挙への出馬に向けて準備を進めている。民主党では86世代のうち禹相虎議員を除けば不出馬を宣言した議員はいない。鄭清来、徐瑛教(ソ・ヨンギョ)の両最高委員と趙正湜事務総長は党の要職に就いている。

 宋元代表は出版記念会で検察を「がん細胞」に例え、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対しては「日本に留学した延世大教授の息子として生まれ、ソウル大法学部に進学して酒を飲んで遊び、司法試験に8回落ちた末にやっと合格した」「この国のために何をしたのか、民主主義のために戦ったのか、人生ずっとパワハラばかり繰り返し、接待を受けて」などと攻撃した。与野党双方の関係者らは「宋元代表のこの言葉に、86運動圏世代の根深い『選民意識』がそのまま表れている」と口をそろえた。申律(シン・ユル)明知大教授は「政治生命を維持するために、いまだに昔の民主化当時の主張ばかり繰り返している」と指摘した。

 86世代は道徳的な問題で批判を浴びたときも、選民意識や独特の仲間意識で「大きな問題ではない」と隠蔽(いんぺい)したり、互いに擁護したりするような姿を見せてきた。宋元代表は出版記念会で、自身が離党したきっかけとなった「現金入り封筒ばらまき事件」についても「まるで重大な犯罪であるかのように、半年にわたって騒ぎ立てている。頭がおかしいんじゃないか」と述べた。選挙の際に現金入り封筒をばらまいていた事実が確認されたにもかかわらず、重大な犯罪ではないというのだ。「元祖86世代」の金民錫(キム・ミンソク)議員も「宋永吉は物欲のない人間だ。私が保証する」と述べた。韓国政界のある関係者は「運動圏出身の86世代は道徳的に優れているかのように振る舞うが、実際には彼らに関連するカネの問題や女性問題がどんなに多かったことか」と話した。

 韓国政界では来年の総選挙を控え、「86世代は勇退すべき」との主張も聞こえているが、実際に候補者の公認作業が進めば、86世代のほとんどが党公認を得られると予想する向きは多い。

 呂善雄(ヨ・ソンウン)元青瓦台青年疎通政策官は「86世代のある議員は今回公認されれば7回目となる。30年間享受してきた恩恵をさらに受けようとしている」として「70年代生まれは86世代の手足となって働いているうちに時が流れ、今や80年代生まれまで脅かされている」と話した。与党「国民の力」の李承煥(イ・スンファン)団協委員長(41)は「386コンピュータ(1980年代後半に発売されていたインテルのi386プロセッサ搭載PC)は遠い過去の話だというのに、(同じ1980年代に学生運動に身を投じた)86世代は運動圏出身者としてひとたび議員バッジを獲得すると、これまで恩恵を受け続けてきた」とした上で「そろそろ打倒する時が来た」と話した。キム・ソンス漢陽大教授は「物理的にも道徳的にも86世代はもう限界に直面している」として「来年の総選挙でその既得権が大きく崩れるのではないか」との見方を示した。

パク・サンギ記者、キム・テジュン記者

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