裁判
ハンバーガー代3000円ケチった韓国ユーチューバーの詐欺行為、防犯カメラに写っていた
「ハンバーガーから髪の毛が出た」と偽って飲食店で飲食代2万7800ウォン(約3000円)の返金を受けた「チャンネル登録者数96万人」の女性ユーチューバーが詐欺で起訴され、一審でその179倍を上回る金額の罰金刑を言い渡された。このユーチューバーは裁判中、終始「ぬれぎぬを着せられた」と無罪を主張したが、裁判所は「反省していない」と指摘した。法曹関係者が2日に明らかにした。
関係者によると、春川地裁刑事第2部単独のキム・テクソン裁判長(部長判事)はこのほど、詐欺で起訴されたA被告(27)に500万ウォン(約56万円)の罰金刑を言い渡したとのことだ。A被告は昨年8月6日午後6時57分ごろ、母親のB被告と共謀し、江原道春川市内のあるハンバーガー店で注文した料理について、髪の毛が入っていなかったのにもかかわらず、「髪の毛が出てきた」と偽って返金を要求、2万7800ウォンの返金を受けたとして起訴された。
A被告の詐欺行為はハンバーガー店内部を撮影していた防犯カメラにそのまま写っていた。防犯カメラの映像を見ると、A被告は母親のB被告と、軍服姿の男性と一緒にハンバーガーを注文した。注文したメニューが出てきて、約18分後に食べ終わったA被告は、飲み物をストローで飲んでいた時、隣の椅子の方に右手を伸ばした。
椅子の背もたれにはブランケットがかかっていた。A被告は右手の親指と人差し指でブランケットに付いていた髪の毛をつまみ、顔の近くに持ってきてじっと見て「確認」した。そして、髪をテーブルの上にあったナプキンに載せ、指を差しながらB被告に話しかけた。
B被告は、A被告が置いた髪の毛とA被告の顔を交互に見た。A被告はその髪の毛を人差し指で軽く触りながら、向い側に座っていたB被告と話をし、マスクをした後、どこかに消えていった。その後、B被告は髪の毛が置かれているナプキンを店のスタッフに見せた。そして、次のように言ったという。
「食べ物から髪の毛が出てきたから金を返してほしい。注文したものを全部シェアして食べたので、全額返すべきだ。一緒に食べていた娘は胃が弱くて吐き気を催して行ってしまった。ひどく気分が悪い」
捜査機関は提出された防犯カメラ映像を見た上で、両被告の詐欺罪が成立すると判断した。ハンバーガー代を出し惜しみした自作自演だという。ただし、検察は被害額などを考慮して、両被告を罰金30万ウォン(約3万4000円)で略式起訴し、裁判所も同額の罰金で略式命令を下したが、A被告はこれを不服として正式な裁判を要求した。母親のB被告は正式な裁判を要求せず、罰金30万ウォンが確定した。
A被告は法廷で、「これまで『たとえ善行はできずとも、罪は犯すまい』と思って生きてきたが、ぬれぎぬを着せられて悔しい」と主張した。
しかし、キム・テクソン裁判長は「経験則上、飲食店で食事をしている際、隣の座席に置かれていたブランケットから髪の毛を偶然発見した後、これを取って食事をしていたテーブルの上に置く行動は非常に異例で自然ではないが、被告人は捜査および公判の過程で上記のような行動をすることになった理由と経緯について納得できる説明を全くできなかった」と指摘した。
キム・テクソン裁判長はまた、「犯行手口が非常に悪質で、返金額の程度とは別に、このような犯行による飲食業従事者たちの精神的な苦痛や被害が相当なものだと考えられることや、それにもかかわらず被告人が過ちを犯したことを反省していないことなどにかんがみ、厳罰が必要だ」と量刑の理由を説明した。
キム・ミョンジン記者