今年ソウル大学の新入生のうち休学を申請した学生は418人と、ここ5年間で最も多いことが分かった。「国民の力」のチョン・ギョンヒ議員が5日、ソウル大学から受け取った資料によると、今年のソウル大学の新入生のうち休学は418人(1、2学期の重複含む)で、2019年(168人)の約2.5倍となった。一つの学部の選抜人数を上回る新入生が丸ごと消えてしまったわけだ。今年ソウル大学人文学部は294人、社会科学部は383人を募集した。また、全新入生のうち、自主退学は2019年の83人から昨年は204人と、2.5倍になった。

 教育界では「医大ブーム」のため、ソウル大学でも自主退学・休学が急増しているとみている。ソウル大学では1年生の1学期にも最長で1年まで休学が可能で、直ちに大学を休んで再び修能(日本の大学入学共通テストに相当)に挑戦する学生が多いという見方がある。

 特に人文・社会系列学科で退学や休学を申請する新入生が増えている。人文学部の自主退学は2019年の2人から昨年は10人となり、休学は5人から26人に増えた。今年は9月までに26人が休学届を出した。社会科学部も新入生のうち自主退学は2019年の3人から昨年は9人に、休学は2019年の17人から昨年は22人へと増加した。今年は9月までに32人となっている。

 入試専門家の間では、人文・社会系列学科からの離脱が増えているのは2022年度から浮上した理系の「文系侵攻」現象のためとみている。理系の学生は文系の学生よりも数学で高い点数を取るのに有利で、ソウル大学などでは理系専攻者による文系学部への合格が増えたというのだ。文系学部に進学した理系出身の学生たちが再び医大に挑戦するために休学か自主退学を選択しているとの分析だ。

 実際、人文・社会系列の新入生による休学・自主退学は、2021年に休学が29人、自主退学が7人だったが、22年には休学が48人、自主退学が19人に増えた。チョン・ギョンヒ議員室の資料によると、昨年ソウル大学の人文・社会系列への修能試験第1次合格者のうち44.4%が理系専攻者だったが、彼らが入学後、再び医大に挑戦しているものと思われる。今年ソウル大学人文・社会系列への修能試験第1次合格者のうち理系専攻者の占める割合が51.6%と、昨年よりも増えたことを考慮すると、人文・社会系列の学生による休学・退学が今後も増える可能性がある。

 文系出身の最上位圏でも医学部など理系への進路を念頭に置いた学生が増えている。主に理系の学生が選択する微積分・幾何学の受験者のうち文系の学生の占める割合は、2022年度の修能試験時の5.2%から23年度には7.1%にまで高まったのに続き、今年9月の修能試験の模擬評価では9.3%へと上昇した。これら学生の中には、微積分・幾何学の方が文系の多く選択する「確率と統計」よりも標準点数(科目の難易度を反映して補正した点数)が高く、数学での順位を上げるのに有利だという点を狙って受験した学生が多い。しかし、理系で要求する科学探求科目を追加で勉強することで、医学部進学を狙う学生も多くなったというのが入試関係者たちの話だ。

 最近「教権失墜」問題が浮上したことで、ソウル大学師範学部でも新入生による休学・退学が増えている。師範学部の自主退学・休学を申請した学生は、2019年にそれぞれ10人と20人だったが、昨年は自主退学が26人、休学が40人にまで増え、自然学部(退学22人、休学32人)を上回った。自主退学が最も多い学部は昨年基準で工学部(54人)で、次いで農学部(52人)、師範学部(26人)、自然学部(22人)の順となった。一方、美術学部、音楽学部、獣医科学部では退学が一人も出なかった。

 教育界では今年の入試を控えて上位大学の休学・退学がさらに増えるものとみている。ユーウェイのイ・マンギ教育評価研究所長は「政府の『キラー問題』(学校外教育で問題を解くための反復練習を何度も行った学生に有利な問題)を排除する方針により、(医大などを目標に)修能に再び挑戦する大学生が多くなるだろう」との見方を示した。

ユン・サンジン記者

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