▲共に民主党の李在明代表が27日未明、京畿道義王市のソウル拘置所を出て、裁判所による逮捕状請求棄却決定に対する立場を表明している/聯合ニュース

 ソウル中央地裁の劉昌勲(ユ・チャンフン)令状担当部長判事は27日未明、民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する逮捕状請求を棄却し、892文字の棄却理由を明らかにした。異例の長さであり、この事件に対する関心の高さを意識したとみられる。要約すれば、容疑が固まったと言えるのは「偽証教唆容疑」だけで、野党代表は公的な監視対象であることから証拠隠滅の恐れがあると断定しにくいとの判断だった。

 これには裁判所内部からも「政治的配慮があったことを自ら認める内容」だという指摘が出た。これまで大庄洞事件、柏ヒョン洞マンション開発便宜供与事件、サンバンウルによる対北朝鮮不正送金事件に関連し、逮捕・起訴された人は少なくとも24人いる。李代表はこれら事件で最終決裁権を持つ城南市長または京畿道知事だった。検察関係者は「政党代表という身分で証拠隠滅はないと指摘したことは、司法に政治的配慮があるのではないかと懸念される」と批判した。

■偽証教唆

 李代表の「偽証教唆容疑」について、劉判事は「容疑が疎明された(固まった)とみられる」と述べた。李代表は2018年、京畿道知事選のテレビ討論会で、過去に自身が「検事詐称」で刑事罰を受けた事件について、「濡れ衣を着せられた」と主張した。しかし、李代表は虚偽事実公表(公職選挙法違反)の罪で起訴され、その後証人に裁判で偽証するよう教唆し、無罪判断を受けた。

 この容疑に関連し、検察は李代表が証人に偽証を指示する肉声の録音記録を確保した。司法関係者は「それだけの物証があれば、どんな判事でも容疑が疎明されると言うだろう」と述べた。

■柏ヒョン洞開発の便宜供与

 李代表の柏ヒョン洞関連の容疑について、劉判事は「李代表の(当時の城南市長としての)地位、関連決裁文書、関係者らの供述などを総合すると、李代表の関与があったとみる相当な疑いがある」と述べた。一方で「直接証拠が不足しており、李代表の防御権が排斥されるほどだと断定することは難しい」と指摘した。

 これについて、検察関係者は「李代表が用途変更など関連書類を直接決裁し、李代表の指示があったという担当公務員の供述と法廷証言があるにもかかわらず、李代表が関与した直接証拠がないという裁判所の判断は納得できない」と話した。法律専門家は「決裁権者である李代表の指示なしに用途変更のような便宜を図ることができないことは常識だ」とした。

■サンバンウルの対北朝鮮送金関与

 劉判事は「サンバンウルによる対北朝鮮不正送金」については、「重要人物である李華泳氏(元京畿道副知事)の陳述をはじめ、これまでの関連資料によると、李代表の認識や共謀の有無、関与程度などについて議論の余地がある

」とした。

 これについて、検察は李華泳氏の「訪朝費用300万ドル肩代わり報告」に関する陳述、李代表が京畿道知事として決裁した対北朝鮮事業関連書類、キム・ソンテ元サンバンウル会長と李代表の通話などの関連証拠があると主張している。劉判事も李華泳氏の「訪朝費報告」に関する陳述の「任意性」は認めた。陳述を行う際、検察による懐柔・圧迫はなかったとの認識だ。

■証拠隠滅の恐れ

 李代表の令状審査の主な争点は証拠隠滅だった。劉判事はいずれも李代表に有利な方向で判断した。「偽証教唆」と「柏ヒョン洞」について、劉判事は「これまでに確保された人的・物的資料に照らして証拠隠滅の恐れがあるとは言い難い」とした。法律専門家は「これ以上隠滅する証拠はないという意味だ」と指摘した。

 劉判事は李華泳元京畿道平和副知事の陳述と関連し、「李代表の周辺人物による不適切な介入を疑うだけの状況はある」と話した。これは李華泳氏が「李代表に対北朝鮮送金を報告した」と陳述したという報道があった7月以降、李代表の側近議員などが李華泳氏の妻に電話したり、拘置所に李華泳氏を直接訪ねたりして、「虚偽陳述をしたという獄中書簡を書いてほしい」と伝えた状況に言及したものとみられる。検察は当時、拘置所での会話録音を令状審査で再生した。

 しかし、劉判事は「李代表が直接介入したと断定できる資料は不足している」と指摘した。検察関係者は「ナイフを握らせて殺人を指示しなければ殺害指示と言えないのか」とし、「李華泳氏を懐柔して最も利益を得たのは李代表本人だ」と批判した。

ソン・ウォンヒョン記者、ヤン・ウンギョン記者

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