話題の一冊
お風呂ガチ勢の国・日本…銭湯24カ所を回ってみた
【新刊】塩谷歩波著『沐(もく)浴湯図鑑』(守吾書斎刊)
「お風呂に真剣な国・日本」。著者が自ら描いた東京とその近隣の大衆浴場24カ所の図鑑は、風呂に対する日本人の真剣さをきちんと示してくれる。図鑑のリストを見ると、基本50年以上、代々家業として営まれてきた銭湯もざらにある。それぞれの家に掲げられた家訓が、すなわち銭湯の経営方針だ。入浴後に楽しむ冷たいビール1杯のためにビールマイスターの公認を取るほどで、主人らの人生目標は常に「最高の銭湯」。内部の各所には「銭湯壁画の匠(たくみ)」や「銭湯専門の建築家」の技がある。
建築家にして都内の銭湯「小杉湯」の番頭を務める著者も、並々ならぬ「銭湯への執念」を見せる。24カ所の大衆浴場に自ら入ってみて、メジャーを使って隅々まで寸法を測り、銭湯の主人のエピソードを直接取材していって図鑑を描いた。これらの図鑑をめくってみれば、湯気立ち込める風呂へ身を浸した後に飲む1杯の牛乳こそ、日本人が長らく愛してきた休息文化の精髄だと理解できるだろう。136ページ、1万6800ウォン(約1830円)。原題は『銭湯図解』
ユン・スジョン記者