▲写真=UTOIMAGE

 中国で9年ぶりに韓国人麻薬犯の死刑が執行された。韓国外交部(省に相当)は4日「中国で麻薬密売の罪で死刑宣告を受けた韓国国民に対し、今日死刑が執行されたとの連絡を受けた」と明らかにした。中国側は外交ルートを通じて死刑の執行を事前に韓国政府に伝えていた。韓国外交部の関係者は「韓国国民に死刑が執行されたことは遺憾」「政府は死刑宣告後もさまざまなルートを通じて人道的な観点から死刑執行の見直し、あるいは延期を何度も求めてきた」とコメントした。

 中国広東省広州市の中級人民法院(裁判所)は同日、1人の韓国人男性に対する死刑を執行した。男性は覚醒剤5キロを販売目的で所持していた容疑で2014年に逮捕され、2019年の一審と20年の二審でいずれも死刑判決を受けた。中国の司法制度は二審制だ。中国最高人民法院は2021年から男性の死刑執行について審査を行い、先日これを決定したという。広州市中級人民法院は男性に家族や領事との面会の機会を与えた上で死刑を執行した。

 韓国外交部の関係者は今回の死刑執行について「韓中関係に影響はないと判断している」とコメントした。中国で韓国人の麻薬犯罪者に対する死刑が執行されるのは2014年以来9年ぶり。これまで中国で死刑が執行された韓国人は6人で、2001年に麻薬犯、2004年に殺人犯の死刑が執行され、2014年には4人の麻薬犯に対する死刑が執行された。現在中国で麻薬関連で服役中の韓国国籍所持者は約70人おり、うち死刑など重い判決を受けている韓国人はいないという。

 19世紀にアヘン戦争で英国に敗れた頃から中国では麻薬が深刻な社会問題となってきた。そのため麻薬犯罪に関係した場合、中国人はもちろん外国人にも厳しい判決が下される。中国の刑法第347条にはアヘンを1キログラム以上、覚醒剤やヘロインを50グラム以上密輸・販売・運搬・製造した場合は死刑か無期懲役、あるいは15年以上の懲役刑に処すことが定められている。実際に韓国だけでなく英国人、ロシア人、日本人、フィリピン人などの麻薬犯が過去に中国で死刑になっている。

キム・サンユン記者

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