裁判
ソウル東部地裁「金於俊氏、検察・メディア癒着を強調しようとチャンネルA事件を歪曲」
ソウル東部地裁はこのほど、ジャーナリストの金於俊(キム・オジュン)氏(55)を相手取り、チャンネルAのイ・ドンジェ元記者(38)が損害賠償を求めた訴訟で、500万ウォン(約54万円)の損害賠償を命じる判決を下した。判決文は「金氏が検察・メディア癒着という自身の見解を強調し、イ・ドンジェ氏を攻撃するために意図的に内容を歪曲(わいきょく)した」と指摘した。
判決文はまた、「金氏は事実を歪曲し、イ元記者が検事と共謀し、虚偽情報提供を促したと(世論に)認識させた」と指摘した。また「金氏の放送での発言からみて、関連する事情を十分に知っていたか、知ることができたとみるべきだ」として賠償責任を認定した。
イ元記者は昨年2月、金氏がユーチューブとラジオ番組を通じ、10回にわたりイ元記者に対する虚偽事実を流布したとし、1億ウォンの損害賠償訴訟を起こし、18日に一審で一部勝訴した。金氏は2020年4月から10月までの期間、自身が司会を務めるユーチューブチャンネルとラジオ番組で「イ元記者が収監中だったシルラジェンのイ・チョル元代表に接近し『柳時敏(ユ・シミン)氏にカネを渡したと言え』と脅迫した」という趣旨で発言した。
しかし、担当判事は関連する録音記録と手紙など証拠資料を総合すると、イ元記者が実際にそうした発言を行ってはいないと判断した。
金氏は世論形成に寄与するため、主観的論評を行ったにすぎないと主張したが、裁判所は金氏の発言がイ前記者の社会的評価に大きな影響を及ぼしかねない内容だったとし、金氏の意見または抽象的価値判断にすぎないとは言えないと判断した。
一方、イ元記者は金氏を名誉毀損の疑いで警察にも告訴した。捜査を行ったソウル城北署は昨年10月、証拠不十分で金氏の送検を見送ったが、検察の要求で再捜査が行われている。
パク・ヘヨン記者