事件・事故
江南で起きた女性拉致殺害事件、主犯は元「北派工作員」だった
ソウル市の江南地区で起きた「女性拉致殺害事件」の主犯として起訴されたイ・ギョンウ被告(35)が過去に北朝鮮に派遣される「北派工作員」だったことが裁判で明らかにされた。イ被告は拉致・殺害を計画し、共犯に指示した疑いが持たれている。
ソウル中央地裁は24日、強盗殺人などの疑いで起訴されたイ・ギョンウ被告、ファン・デハン被告(36)、ヨン・ジホ被告(30)と犯行を共謀したユ・サンウォン被告(51)とその妻ファン・ウンヒ被告(49)ら7人の公判を開いた。
公判では同様に起訴されているL被告に対する証人尋問が行われた。検察がL被告に「イ・ギョンウ被告が元北派工作員出身だということは知っているか」と尋ねると、L被告は「はい」と答え、「(イ・ギョンウ被告が)北派工作員だったという話を以前聞いた」と発言した。
続いて検察は「イ・ギョンウ被告が訓練も受けていたならば、直接犯行に及ぶか、4人で実行すればよかったのに、なぜ直接実行しなかったのか知っているか」と質問した。軍で工作員訓練を受けたイ・ギョンウ被告がなぜ直接被害者を拉致・殺害せず、ファン・デハン、ヨン・ジホ両被告らに実行を任せたのかという質問だった。L被告は「分からない」と答えた。
法廷では拉致・殺害事件の犯人が犯行を共謀した当時の通話録音ファイルも再生された。録音ファイルでヨン・ジホ被告はL被告に「犯行が発覚すれば、海外に逃げなければならない」と話し、L被告は「殺人という証拠はないのではないか」と答えている。検察はそれを根拠にL被告が主犯と殺人を計画したのではないかと追及した。それに対し、L被告は「言い間違いだ」と否認した。
犯行前、L被告がファン・デハン、ヨン・ジホ両被告と共に被害者が埋められた大田市の大清ダム周辺の山野を寄った理由についても「ただ寄ろうと思った」「犯行に使われるとは思わなかった」と話した。被害者の仮想通貨などの財産を奪おうとしただけで、殺害する意図はなかったとの主張だ。
ソウル中央地裁は8月10日の公判で主犯の一人であるヨン・ジホ被告に対する証人尋問を行う予定だ。
パン・グクリョル記者