▲写真提供=サムスン電子

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がサムスン電子の「ギャラクシーZフリップ」シリーズと推定されるフォルダブル・スマートフォン(折りたたみスマートフォン)を使用していると思われる場面がカメラにとらえられた。これは、朝鮮中央通信など北朝鮮メディアが13日に公開した写真の中にあったものだ。これらの写真には前日の12日、新型固体燃料大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の試験発射を見守る金正恩総書記の前のテーブル上に、タバコ・灰皿・缶入りの飲み物などと共に、フォルダブル・スマートフォンと見られる物が置かれているのが写っている。

 スマートフォンはケースに入れられていて、正確なメーカー名やモデル名を確認することはできないが、形・大きさ・厚さなどを考えると、折りたたみができるサムスン電子製「ギャラクシーZフリップ」シリーズや、中国・ファーウェイ(華為技術)製のスマートフォン・シリーズに似ているように見える。フォルダブル・スマートフォンであることが事実だとすると、中国を通じて北朝鮮に入ってきた密輸品である可能性が高い。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議第2397号で電子機器の北朝鮮向け輸出入を禁止しているためだ。

 金正恩総書記は4カ月前までは中国製の折りたたみでないスマートフォンを使用していたものと推定される。金正恩総書記が今年3月9日、火星砲兵部隊の火力襲撃訓練を現地指導した時の写真には、折りたたみでない白いスマートフォンがカメラにとらえられている。

 こうした中、北朝鮮の朝鮮中央テレビは12日、携帯電話の安全な使用に向けた推奨事項を説明する番組の背景画面に「三台星8」という名称のスマートフォンを登場させた。朝鮮末期大辞典によると、「三台星」は「抗日武装闘争時期の3つの明るい星」という意味で、金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記、そして金日成主席の妻である金正淑(キム・ジョンスク)氏を指すという。これまで北朝鮮では「平壌タッチ」「アリラン」「チンダルレ(ツツジの意)」「プルンハヌル(青空の意)」など数種類のスマートフォンが発売されたとのことだ。今回初めて公開された三台星は北朝鮮が直接生産したものなのか、それとも中国などから輸入して商標だけを付けたものなのかは不明だ。北朝鮮ではスマートフォンでインターネットを使用できず、SIMカードを差し込んで内部イントラネットにのみアクセスできる。

キム・ミョンソン記者

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