裁判
金塊40トン密輸3人組への罰金1兆9200億ウォンは「合憲」=韓国憲法裁
金塊40トンを韓国国内にひそかに搬入後、再び国外に持ち出そうとしたとして、控訴審で罰金1兆9200億ウォン(約2140億円)を言い渡された被告3人が過度な罰金刑を定めている法律の条項は違憲だとして申し立てた憲法訴願で、韓国の憲法裁判所は4日までに、問題の条項は合憲だという決定を下した。
被告らは2015年7月から16年12月まで数百回にわたり、1キログラムの金塊約4万枚(時価総額約2兆ウォン)を密輸した罪で起訴された。被告らは香港で金塊を安く買い入れ、日本に持ち込み、差益を得ることを計画した。犯行は2段階で進められた。まず、被告らが香港で購入した金塊を持ち韓国の空港の乗り継ぎエリアで待機。「無料で日本旅行ができる」などとうたって募集した家族旅行客などがその金塊を受け取り、日本に持ち込む手口だ。日本の税関が香港から直接入国する場合に携行品を厳しく検査するが、韓国人観光客への検査は緩い点を利用した。
この事件で主犯のA被告には控訴審で懲役4年、罰金6669億ウォンが言い渡された。共犯のB被告は懲役1年4月、罰金6623億ウォン、C被告には懲役1年6月と罰金5914億ウォンの判決が出た。
被告らは大法院に上告し、罰金刑の根拠となった特定犯罪加重処罰法6条が過度な罰金刑を規定しており、憲法に反すると主張し、憲法裁に憲法訴願を申し立てた。同条項は密輸品の原価が5億ウォン以上の場合、1年以上の懲役のほか、密輸品の原価に相当する罰金刑を言い渡すと定めている。
憲法裁は裁判官全員一致で問題の条項は「憲法に違反しない」との決定を下した。大規模密輸組織に罰金で経済的不利益を与え、犯罪を厳しく処罰する必要があるほか、罰金額と関係なく宣告猶予が可能なため、問題の条項が犯行に比べ過度に厳しい処罰を規定したとは言えないとの判断だ。
パン・グクリョル記者