▲糖尿病治療薬の伝達効果に関する実験結果を確認する延世大学生命工学科のチョン・ヒョンイル教授=写真左=研究チーム。延世大学は今年のQS世界大学ランキングにおいて、2年連続でアジアの私立大学の中で最も高い順位(76位)になった。写真=延世大学

 英国の大学評価機関QS(Quacquarelli Symonds=クアクアレリ・シモンズ)が28日未明に発表した「2023年世界大学ランキング」で、韓国の5大学が100位以内に入った。ソウル大学は「学術関係者からの評判」の指標で10位以内、「雇用結果」の指標で20位以内に入った。光州科学技術院と大邱慶北科学技術院は論文の影響力を示す「教員1人当たりの論文被引用数」の指標で10位以内になっている。

■韓国の大学43校がランクイン

 今回のランキングは、世界の5000大学を評価し、1500位まで順位をつけたものだ。韓国の4年制大学の中では今年、43校がQS世界大学ランキングに入った。大邱慶北科学技術院と順天郷大学は今年初めてランクインした。100位以内に入った韓国の大学は、ソウル大学(41位)、韓国科学技術院(KAIST、56位)、延世大学(76位)、高麗大学(79位)、浦項工科大学(100位)の5大学で、昨年より1校減った。QSでは今年、大学ランキングを開始して20周年を迎えたが、評価基準に「国際研究ネットワーク(IRN)」や「雇用結果」など新たな指標を反映させ、世宗大学を除く韓国のほとんどの大学の順位が下がったためだ。それでも100位以内に入った韓国の大学の数はフランス・ドイツ・日本(それぞれ4大学ずつ)より多く、中国(5大学・香港は別途に集計)と同等の数字だった。

 ソウル大学はアジアの大学で7番目に高く評価された。特に、今年初めて設けられた「雇用結果」指標では世界8位になった。就職率が高いだけでなく、卒業生のうち各分野で影響力のある人物として活動するケースが多いということだ。総点数の30%を占める「学術関係者からの評判」も昨年の19位から18位に1ランク上がった。

 研究の質と影響力が分かる「教員1人当たりの論文被引用数」の指標では、光州科学技術院が全1500大学中5位になり、前年より1ランク上がった。今年初めてQS世界大学ランキングに入った大邱慶北科学技術院は7位だった。これは、10位以内に6大学が入った米国の次に多い。蔚山科学技術院(25位)、浦項工科大学(29位)、KAIST(35位)なども上位に入った。

 延世大学は昨年に続き、2年連続でアジアの私立大学で最も高い順位になった。浦項工科大学は「学生1人当たりの教員比率」で韓国1位、全体で21位だった。韓国大学の「学生1人当たりの教員比率」の平均は、評価対象となった104地域のうち13番目に高かった。

■シンガポール国立大学、アジア初のトップ10入り

 全体の順位では米マサチューセッツ工科大学(MIT)が12年連続で1位の座を守った。次いでケンブリッジ大学とオックスフォード大学(英国)、ハーバード大学とスタンフォード大学(米国)などの順だった。トップ5大学の顔ぶれは前年と同じで、3-5位の大学の順位だけが多少入れ替わっている。

 今年はシンガポール国立大学が8位になった。アジアの大学がトップ10入りしたのはQS世界大学ランキング開始以来、初めてのことだ。シンガポール国立大学は「学術関係者からの評判」(18位)、「教員1人当たりの論文被引用数」(64位)、「外国人教員比率」(33位)、「雇用結果」(7位)など、幅広い指標で高く評価された。スイスのチューリッヒ工科大学は7位で、そのほかのトップ10校はすべて英米圏の大学だった。

 アジア大学の中で2番目に高い順位は中国の北京大学(17位)だった。次いで中国の清華大学(25位)、シンガポールの南洋理工大学(26位)、香港大学(26位)、東京大学(28位)の順だった。

 QSのベン・ソーター上級副社長は「韓国はトップ100のランキングで、(韓国より)人口が多く、経済規模が大きいドイツ・日本・フランスなどと同等の実績を出した」「学齢人口減少という大きな危機はあるものの、優れた高等教育システムと『韓流』など韓国のブランドパワーでこれを克服するだろう」と展望した。

 漢陽大学化学工学科のペ・ヨンチャン教授は「国際研究ネットワークは多様な国と多様なテーマを共同研究して新たな価値を創出し、知識を共有する責務を強調するものだ」「韓国も一部の先進国に集中しているパートナーシップをさらに拡大すべきだ」と語った。

崔銀京(チェ・ウンギョン)記者

ホーム TOP