社会総合
基準値の0.19%…デマ否定に6年費やした在韓米軍THAAD電磁波
韓国・慶尚北道星州郡にある在韓米軍の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)基地に対する環境影響評価が6年間かけて終了した。THAADによる電磁波は測定最大値が1平方メートル当たり0.018870ワットで人体保護基準(同10ワット)の530分の1(0.189%)にとどまった。これは携帯電話基地局から出る電磁波よりも低い数値だ。
環境部はTHAADによる電磁波に関連し、国防部(空軍)と信頼できる外部機関の韓国電波振興協会による実測資料を専門機関や専門家と総合的に検討した結果、測定最大値が人体保護基準の0.2%以下であり、人体および周辺環境に及ぼす影響は微々たるものだとの判断を示した。
THAADの砲台は大邱地方環境庁による小規模環境影響評価を経て、2017年に臨時配置されたが、一部地元住民や仏教系新宗教である円仏教の関係者らが電磁波への懸念などを理由に反対し、基地を正常に設置できなかった。
星州郡はマクワウリが名産だが、当時一部の政治家や団体は「THAADによる電磁波がマクワウリを腐らせる」「マクワウリを電子レンジに入れるようなものだ」などといったデマを広めた。
今回環境影響評価が終了したことで、THAADの臨時配備から6年目で基地建設に向けた行政手続きが終了した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は発足当初からTHAAD基地を「正常化」する意向を表明し、環境影響評価、第2次用地提供、人材・物資・燃料の輸送などを急いだ。昨年9月からは補給物資、兵力、設備などを地上ルートで制限なく輸送する措置を取った。
在韓米軍地位協定(SOFA)合同委員会も第2次用地提供に関する文書に署名し、40万平方メートルの土地提供も完了した。韓国政府は来年にも事業に着手できるように法令改正、予算編成などを年内に終える計画だ。
チェ・スヨン記者