▲写真=資料写真/UTOIMAGE

 米国では2年連続で19歳以下の死亡率が急増し、危機的な状況に陥っている。麻薬中毒・殺人・自殺・交通事故の「4大要因」が同時に増加した結果だ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は17日(現地時間)、バージニア州立大学研究チームの報告書を引用し、「2020年に米国の1-19歳の死亡率が2019年に比べて10.7%上昇したのに続き、2021年も8.3%(暫定値)増えた」と報道した。米国で若年層の死亡率がこのように2年連続で大幅に増えたのは、1970年代以来、半世紀ぶりのことだ。死因のうち、新型コロナウイルス感染症が占める割合は5分の1から10分の1程度だと研究チームでは説明している。それよりも、若年層が社会的な害悪に染まらない場所を失い、絶望感・疎外感・はく奪感に襲われて死に至るケースの方がはるかに多いと分析している。2019年の1年間に、米国では1-19歳の10万人あたり3.2人が銃器などによる殺人で死亡したが、2020年には4.2人、2021年には4.6人に急増した。2019年から2021年までの自殺は3.5人から3.8人に、交通事故による死亡は4.6人から5.7人に増えたという。

 特に麻薬を含む薬物中毒死は同期間で0.9人から2.2人へと2倍以上も増えた。米国では若者たちもフェンタニルなど鎮静剤の違法使用を含め、麻薬・薬物に無防備にさらされている。米国の保健関連非営利団体「カイザー・ファミリー財団(KFF)」によると、フェンタニルによる24歳以下の全米の死亡者は2019年の3683人から2021年には6531人へと2年間で77%増加したとのことだ。昨年1年間の米国における成人を含む薬物過剰摂取の死亡者数は合計10万9680人(暫定値)を記録し、過去最多だった。

 ノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン米プリンストン大学教授は、1990年代後半から製造業の没落などで白人の中年層の間で薬物中毒死や自殺が急速に広がった現象を発見、これを「絶望死」と名付けた。若年層を対象にした今回の研究でも、新型コロナウイルス流行時の登校やレジャー活動が制限され、麻薬や銃器などによる自己破壊的な死が感染症のように広がっていたことが明らかになった。研究チームは「若年層のメンタルヘルス(精神的健康)問題に対して根本的な解決策を打ち出さない限り、このような傾向は続くだろう」と懸念している。

リュ・ジェミン記者

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