▲インド・ネパールからの留学生はサッカーに代わってクリケット―4月24日、江原道束草近くのある大学のサッカー場でインドとネパール出身の学生たちが集まってクリケットの試合を行っている。/ユン・サンジン記者

 国際大学看護学科に通う学生たちの対策づくりとして5月2日、国家教育委員会のキム・テイル委員は国会で記者会見を開いた。キム委員は「看護学科の学生たちは学校を信じて今学期も授業料を支払い、残った教授たちは使命感を持って授業している」とし「近隣の大学と連係して学生たちの学習権を保障できる教育当局の支援が必要だ」と力説する。

 このように全国には学生不足などで廃校直前にまで追い込まれている大学が続出している。学生がいなければ財政難に陥るほかない構造だ。韓国人の新入生が見つからず廃業の危機にひんしている大学は、外国人留学生の誘致に死活を懸けている。地方の私立大学の国際交流担当者は「最近、学校間の競争が過熱し、現地のエージェント(ブローカー)に学生1人当たり1学期の授業料を(誘致謝礼金として)支給するケースも見受けられる」と話す。8学期の授業料のうち7学期は学校が、1学期はエージェントが受け持つ構造だ。また、「現地訪問して募集」に乗り出す大学も増えている。地方のB大学は中国現地の高校と協約。韓国語講師を派遣して、中国人学生たちに卒業前の6カ月間で「韓国語の授業」を提供する。留学生の韓国への適応をサポートするためだ。大学側は「中国人学生たちが他国に離れていくのを防ぐためには仕方ない」と苦肉策であることを話す。

 多くの国から留学生を集めているため、中国が絶対的多数だった留学生の国籍に占める割合も変化する様相を呈している。法務部の資料によると、今年3月基準で外国人留学生21万4000人のうち、ベトナム人が7万3800人と最も多く、次いで中国が6万7450人で2位となった。以降はウズベキスタン(1万2250人)、モンゴル(1万2220人)などが続く。コロナ禍を迎える前の2018年には16万人の留学生のうち中国人が6万8900人、ベトナム人が4万5100人だった。A大学の関係者は「中国の経済的水準が高まり始めたことで、最近では中国人留学生たちは地方に代わってソウル圏内の世界大学評価(QS)の順位が高い学校に行こうとしている」とし「地方大学はやむを得ずベトナムやウズベキスタンからの学生をターゲットとしている」と裏事情に触れる。

 大学による「留学生の募集」競争の過熱ぶりを懸念する声も上がっている。慶尚北道のC私立大学の関係者は「学生ビザを利用してお金を稼ぐために来韓する外国人を見分けるのは難しい問題」と話す。学生ビザの期限切れで不法滞在者が増加した地域では、住民たちが「治安」に対する不安を訴え始めている。法務部の資料によると、留学ビザ(D-2)で韓国に入国した外国人のうち、不法滞在者が占める割合は2018年の1.3%(1400人)から昨年末には7.1%(9800人)へと急増した。

 教育部は、地域の不足する労働力と関連付け、留学生を誘致する政策を進めている。これまでは留学生の数を増やすことのみに焦点が当てられていたが、今では地域人材の需要と連携して留学生を誘致し、彼らの韓国定着までを支援するというのだ。例えば、老人介護のための人材が必要な地方自治体の場合、地域の大学に「療養ケア学科」を増設し、留学生を対象に韓国語や専攻技術を教えるほか、介護業者には就職までをあっせんするというのだ。こうした留学生には「地域特化型ビザ」を与える案も検討中だ。

 また、教育部は外国人留学生による平日のアルバイト許容時間を増やすことで、地域社会に対する留学生の寄与度を大学国際化評価に反映する案も検討している。教育部のユン・ソヨン地域人材政策課長は「四年制大学を卒業した韓国人学生たちは、地方に働き口を求めていないのが現実」とし「地方の大学を卒業した海外留学生が地域の人材需要を満たすことができれば、地域と大学の双方にとって役立つ案になることが可能なのではないか」と期待を寄せた。

束草・高城=ユン・サンジン記者、シン・ジイン記者

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