▲インド・ネパールからの留学生はサッカーに代わってクリケット―4月24日、江原道束草近くのある大学のサッカー場でインドとネパール出身の学生たちが集まってクリケットの試合を行っている。/ユン・サンジン記者

 4月24日午前、江原道束草市付近のA大学の運動場では、英語とインドの言葉の混ざり合った歓声があちこちから鳴り響いていた。インド人とネパール人の学生10人がクリケットの試合中で、サッカーとバレーボールをする外国人留学生たちも見受けられた。同じ頃、講義棟で中間テストを受けていた約20人も外国人だ。同キャンパスの学生約1000人のうち900人が20カ国から来た外国人留学生だ。20カ国のうちネパールから来た学生が最も多く、次いでバングラデシュ、ウズベキスタンの順となる。昨年から韓国人の新入生はたった1人だけを受け入れている。ハーフの家庭で育った学生たちが志願し入学するという。他の韓国人学生たちは、夜間クラスに通う地域のサラリーマンと兵役中の軍人たちだ。来年2月に彼らが卒業すれば、同キャンパスの学生の99%は外国人で満たされる。管理室にはハングルの代わりに英語の書類が具備されており、掲示板には「Looking for someone to work in a restaurant(レストランで働く学生募集中)」といった英語の求人広告も見受けられた。全ての授業は英語で行われている。

 同大学は、人口低下で韓国人の新入生を誘致することが困難になると、同キャンパスを「外国人専用」とした。2017年に学科の構造調整に取り掛かり、韓国人学生たちを他のキャンパスに移し、同キャンパスは外国人留学生が通う学科四つを開設した。韓国人の新入生を1人選んだのも、定員内に少なくとも1人いなければ、「定員外外国人」を選抜できないという教育部(日本の省庁に当たる、以下同じ)による指針のためだ。しかし、ジリ貧の危機にひんしている大学が増えたことで、教育部は昨年5月、外国人留学生だけで学科を構成できるよう規制緩和を行った。「100%外国人」によるキャンパスの設立が可能となったのだ。

 教育部は最近、2024学年度の大学の定員を1829人増やすと発表した。半導体など「先端学科」の増員だとはいうものの、学生の減少を受け「99%が外国人」という大学が登場している状況で、経営が思わしくない大学の整理など構造調整がさらに急がれるのではないかと指摘する声も上がっている。

 午後2時、同キャンパス内では学生たちの姿が見られなくなった。所得水準が高くない国から来た学生たちがほとんどで、学校で仕事と学業の両方を両立するために、午後2時には全ての授業が終わるよう学部の日程を組んだのだ。学校で出会ったスーザンさん(24)は「韓国はネパールに比べて生活費がはるかに高いため、平日は1日4時間ほど近くの刺し身屋でアルバイトをしている」と話す。時給は1万ウォン(約1000円)程度だという。ある地域の経営者は「これまで人手不足で苦労したが、留学生が来たおかげで安心した」と笑みを浮かべる。労働力が供給され、地域経済にも活気が生じたという肯定的反応もある。

 一方、慶尚南道晋州市の韓国国際大学看護学科の学生たちは、学校の財政難で講義する教授が不足しており、卒業できない状況にひんしている。卒業単位を満たせなかった場合、看護師の国家試験の受験資格も得られない。

 同大学は、2018年の大学基本力量診断で「不良」という判定を受け、看護学科の専任教授の7人に5人が賃金未払いにより辞職した。残った2人の教授が在学生98人のために、教授1人の受け持つことのできる授業時間の3-4倍を講義している。しかし、超過時間は単位として認められず、学生の卒業は困難な状況にあるという。ある学生は「一部の授業は受けているので(年間700万ウォン(約70万円)を超える)授業料を払わないわけにもいかない」とし「家業を諦め看護師になるためにやって来た友人もいるが、学校のせいで夢を諦めなければならないこともあり得るとは非常に残念」と肩を落とした。

束草・高城=ユン・サンジン記者、シン・ジイン記者

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