▲仁川国際空港のトイレに貼ってある案内文/読者提供

 「便座に座ってご利用ください」

 仁川国際空港のトイレに貼られている案内文だ。韓国ではごく当然のことと思われるが、文化の異なる一部の外国人が洋式トイレを誤って使用するケースがたびたび発生したことで、頭を抱えた空港側が掲載した内容だ。

 仁川国際空港のトイレでは、韓国語以外にも英語、中国語、日本語でこうした内容を案内する文句が容易に見受けられる。その上には、他の言語を母国語とする外国人もその意味を正確に理解できるように、正しい便器の使い方を説明した絵が添えられている。便器の上に足を載せて座っている挿絵には、赤で禁止マークが描かれた。空港側の関係者は4月24日、朝鮮ドットコムに「一部の国のトイレ文化が韓国と異なるため、案内の意味を込めて設置した」とその背景に触れた。

 実際、空港のトイレを利用する外国人の中には洋式トイレが不慣れなため、便座に足で乗って座ったまま用を足すケースが少なくない。一部では、便座の上に反対に座って用を足すケースもあるという。このため、空港は新型コロナウイルス感染症の流行前から同案内文を掲載している。にもかかわらず、最近外国人観光客の入国が増加したことで、トイレ掃除を受け持つ業者からは悲鳴の声が上がっているという。

 こうしたことで頭を抱えるのは、何も韓国だけではない。ドイツのドイチェ・ベレ紙(DW)や中国のグローバル・タイムズ紙などによると、イスラム文化圏や中国、台湾、タイなどでは、主に和式トイレが使用されている。DWは「一部のイスラム文化圏の難民がドイツに来て洋式トイレを目にして慌てることもある」とし「彼らが便器の端に載って前かがみになったり、浴室の床に座って用を足したりしたことで、これを未然に防止するため、公衆トイレに案内の挿絵を掲載することにした」と報じた。

 米ソルトレーク・トリビューン紙は「ユタ州の議事堂のトイレで、トイレ文化が異なる中国など一部の外国人観光客が便器を誤って使用したことで便器カバーが破損することもあった」とし「その結果、2017年に議事堂のトイレに正しい便器の使い方を知らせる案内文が掲載された」と報じた。

チョン・チェビン記者

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