▲2022年7月、北朝鮮の金正恩総書記が退役軍人大会の出席者に会う際、周辺を警護する警護員たち。写真=労働新聞、news1

 日本の岸田文雄首相に向かって爆発物が投げつけられたテロ事件後、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の警護員たちが防弾カバンを持っている姿が何度もカメラにとらえられている。このため、厳しい経済事情で北朝鮮内部の情勢が不安になっている中、「外国で発生したテロに敏感に反応している」との見方もある。

 これまで「手ぶら」警護だった北朝鮮の警護員たちが黒いカバンを持っている姿が初めてカメラにとらえられたのは、16日に行われた平壌市和盛区域の住宅完工式だった。この日は岸田首相が選挙演説会場で爆発物テロに遭った翌日だ。このため、日本のテロ事件を見て、北朝鮮が金正恩氏の警護原則をすぐに変えたという見方が出ている。19日に党機関紙の労働新聞が報じた金正恩氏の国家宇宙開発局現地視察写真でも、警護員たちは黒い防弾カバンを持っていた。この2カ月前の今年2月、金正恩氏が平壌郊外の大規模野菜温室農場「江東温室農場」建設着工式に出席した時は、警護員たちは何も持っていなかった。専門家らは、カバンの中には銃器類が入っており、有事の際には盾の役割もするとみている。

 北朝鮮は外国でテロ事件が発生した時、金正恩氏の警護に敏感な反応を見せてきた。米国がイラン革命防衛隊の総司令官を殺害した2020年1月、金正恩氏は二十日間以上も行方をくらました。同年10月の朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードでは、党中央委員会護衛処・国務委員会警衛局・護衛局・護衛司令部という、金一族を警護する4つの部隊を初めて公開した。昨年7月の安倍晋三元首相暗殺後に行われた北朝鮮退役軍人大会では、普段より多くの警護員が金正恩氏に密着して随行する姿が公開された。安保部署関係者は「政権の核心である退役軍人たちも信用することができないほど外国のテロに対する不安が大きいものとみられる」と語った。

キム・ミョンソン記者

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