文化総合
海外メディア、ムンビンさん死去で『K-POPの闇』に焦点…「事務所の厳しい規則下で過酷なトレーニング」
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)や英紙ガーディアンなど主な海外メディアでは、男性アイドルグループASTRO(アストロ)のメンバー、ムンビンさんの死去を伝える際、K-POPの闇に焦点を当てて報道している。
NYTは19日(現地時間)、ムンビンさんについて「突然この世を去った20代の韓国の芸能人の中でも一番最近の死亡者」と報じた。NYTはさらに、2019年に死去した女性アイドルグループf(x)(エフエックス)のソルリさんやKARA(カラ)のク・ハラさんの死去に触れた上で、「すべての死因がそういうわけではないが、一部は自死と確認された。彼らの死は、韓国で最も人気のある文化輸出産業の一つがどこから間違ってしまっているのかについて、おのずと振り返るきっかけとなっている」としている。
ガーディアンも20日の記事でムンビンさんの死去を報道し、「ここ数年間で数人の若いK-POPアイドルが亡くなった」として、ソルリさん、ク・ハラさん、男性アイドルグループSHINee(シャイニー)のメンバー、ジョンヒョンさんなどに言及した。ソルリさんについては、「生前、長い間インターネット上の嫌がらせに苦しめられており、ソルリさんの死去によって韓国でネット犯罪やアンチコメントに対する処罰強化の声が本格的に上がるようになった」と分析している。
さらに、ガーディアンは「K-POPアイドルたちはたいてい、10代前半あるいは10代半ばで芸能事務所に入った後、厳格な規則の下で暮らしながら、歌やダンスについて過酷なトレーニングを受ける」と報じた。
英BBC放送もムンビンさんの死を悼むニュースを伝える際、「競争過熱の風潮で有名な韓国は、先進国の中でも若者の自殺率が最も高い。全体的な自殺率は下がっているが、20代の死亡者は増えている」と指摘した。韓国の自殺率は経済協力開発機構(OECD)加盟国で1位だ。BBCは女優のチョン・チェユルさん(26)が今月初めに自宅で死亡しているのが発見されたことや、昨年8月に女優のユ・ジュウンさんが27歳で死去したケースも取り上げた。
音楽誌であるビルボード誌のロブ・シュワルツ・アジア支局長はBBCの取材に「K-POPアイドルはアルバム・プロデューサーからはヒット曲を相次いで出すよう要求され、ファンからは完ぺきなルックスやサウンドに関するプレッシャーを受けている」「K-POPアーティストは歌手としての人生以外に、別の人生はない。(彼らは)小さいころからレッスンを受け始め、学校にも通わない。K-POPの世界の外で生活するのは本当に難しい」と皮肉った。
ムンビンさんは19日夜8時10分ごろ、ソウル市江南区の自宅で死亡しているのが発見された。警察では、他殺の痕跡など犯罪性がないことから、自死したとみている。
ムンビンさんは2009年にKBS第2のドラマ『花より男子~Boys Over Flowers』(韓国版『花より男子』)で俳優キム・ボム演じるソ・イジョン(西門総二郎)の小さいころを演じてデビューした。また、2016年には男性アイドルグループASTROのメンバーとして歌手活動を開始した。ムンビンさんは先月8日にタイのバンコクでのコンサート終了後、ライブ放送でファンに、「告白することがあります。実はすごくつらかったんです。コンサートの時から少し(そうした様子が)出てしまった気がします」「ファンの皆さん、本当にごめんなさい。もっと良くなるように頑張っています」と語っていた。
イ・ヨンソン記者