故・朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長の遺族が元市長のセクハラを認定した人権委員会の決定を取り消すよう求めた訴訟で、妻カン・ナンヒ氏の代理人は20日、二審のソウル高裁で行われた口頭弁論で、「セクハラ被害者であるパク元市長が加害者と説明されている」と主張した。これを巡っては、被害者に対する二次加害だとの指摘が出ている。

 朴元市長の妻カン・ナンヒ氏の訴訟代理人は「被害者側から『愛してる』という携帯メールを最初に送ったにもかかわらず、人権委はその部分を除外した」として、「むしろセクハラ被害者である故人が加害者と説明されている」と述べた。 出廷したカン氏は「私の夫は無念な被害者だ。真実を無視せず正義の判決を下してほしい」と求めた。

 しかし、一審は昨年11月、原告敗訴の判決を下し、「『愛している』という単語は、異性間の感情を表す意図ではなく、被害者が属した部署で同僚ないし上司、部下の間で尊敬の意味で慣用されていたものだ」と判断した。

 これに先立ち、人権委は2021年1月、職権調査を実施後、「朴元市長が秘書Aさんへのセクハラに及んだ」とする結果を発表した。これに対し、妻のカン氏は人権委の決定は不当だとし、取り消しを求めて提訴。一審で敗訴すると、判決を不服として控訴した。

梁銀京(ヤン・ウンギョン)記者

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