尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と日本の岸田文雄首相が16日の首脳会談後、トンカツなどの発祥だとされる洋食店「煉瓦亭(れんがてい)」で夕食会の2次会を開くことを決めたことに対し、秋美愛(チュ・ミエ)元法務部長官は、店の場所が1923年の関東大震災時に朝鮮人虐殺が発生した場所に近いとした上で、「トンカツがのどに引っかかるのではないか」と非難した。

 秋美愛氏は前日の15日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」に「歴史的脈絡を知らなければトンカツにやられます。トンカツがのどを通りますか?」というタイトルの投稿をした。

 同氏はこの投稿で、立教大学の山田昭次名誉教授が書いた『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後-虐殺の国家責任と民衆責任』という本に言及し、「(東京)亀戸五の橋で朝鮮人女性のむごたらしい惨死体を見た。惨殺されていたのは30(歳)ちょっと出たくらいの朝鮮婦人で、性器から竹槍を刺している。しかも妊婦である。正視することができず、サッサと帰ってきた」という部分を引用した。秋美愛氏は「これは1923年の関東大震災時、日本の市民が目撃したものだ」と説明した。

 秋美愛氏は「その悲劇が目撃された場所は煉瓦亭からわずか20分余りの距離にある。そこだけでなく、日本の首都のど真ん中で、日本人による大虐殺という蛮行で韓国人数千人が犠牲になった」「よりによって関東大震災100周年の今年、東京のど真ん中で『トンカツにやられる』韓国大統領を歴史はどのように記録するのだろうか? トンカツがのどに引っかかるのではないだろうか」と述べた。

 煉瓦亭は東京都中央区銀座にある飲食店で、1895年に開業した。創業者一族が4代にわたり店を営んでいる。オムライスやハヤシライスなど日本を代表する洋食メニューの元祖だと言われ、有名な店だ。英国の「カトレット」やフランスの「コートレット」を日本風にアレンジしたトンカツの元祖だとも言われている。

 128年の伝統を持つ洋食店だけあって観光名所にもなっており、韓国の番組でも何度も紹介されている。2016年9月17日に放送されたSBSのバラエティー番組『ペク・チョンウォンの3大天王』では、外食関連企業「ザ・ボーン・コリア」のペク・チョンウォン代表が同店を訪れた時の様子を放送した。また、2015年8月12日に放送されたEBSの教養番組『世界見聞録アトラス』にも登場したことがある。同番組ではカリスマ歴史講師として有名なチェ・テソン氏が「日本の開港史」というテーマで取り上げた。

キム・ミョンジン記者

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