野球
WBC:「井の中の蛙」韓国プロ野球、観客減でも年俸だけはバブル(下)
■競争力を失っても年俸はバブル
韓国は今大会で野手よりも投手のレベルの低さが目立った。金寅植前代表監督は「若い投手もキム・グァンヒョンのレベルに達していない。だから今までキム・グァンヒョンが所属チームと韓国代表のエースだった。チームにおける韓国人投手の育成にも間違いなく問題があると思う」と指摘する。
どのチームも選手を育てられず、高額年俸ばかりで「年俸バブルを招いた」との指摘もある。FA(自由契約選手)と非FAの複数年契約のうち総額100億ウォン(約10億円)以上の契約は2017-21年の5シーズンで5件だったが、2022シーズンを前に7件、2023シーズン前には4件あった。野球関係者の間からは「選手の実力に伴って契約額が高騰したというよりも、それだけ良い選手が少ないので需要と供給の関係から年俸が上がった」との見方もでている。
ヤン・ジュンヒョク解説委員は「育成は簡単なことではないが、チームはアマチュア選手への投資とか選手選抜、あるいは育成システムを大きく見直そうとは考えない」「選手を育てられないから100億ウォンを払って買ってくるしかない」と批判した。KBS Nの張盛好(チャン・ソンホ)解説委員は「年俸バブルは選手がつくったのではなく、短期間で結果を出さねばならない各チームが選手の育成ではなく検証されたFA選手の獲得により力を入れたためだ」「バブルにならないようFA権獲得までの期間を短くし、選手が市場に出てこられるようにすべきだ」と主張している。
■リーダーシップを発揮できないKBO
2020-21シーズンはコロナで表面化しなかったが、プロ野球の観客数は2017年の840万688人を頂点に減少を続けている。プロ野球全体のレベル低下、国際大会で結果が出せない、さらに観客を満足させるだけの試合が見られないからだ。2022年の観客数は607万6074人で2017年に比べて27.7%も減った。
球場に空席が目立つ状況でもKBOは何もできない。ある野球関係者は「KBOは利害関係が食い違う各チームを説得し、団結させリーグ全体の利益のために動くべきだが、逆に特定チームの顔色をうかがっているとまで言われている」「KBOが抜本的に生まれ変わる姿を示せなければ、今後もっと大きな危機が迫ってくるだろう」と懸念を示した。
東京=キム・サンユン記者、パク・カンヒョン記者