▲写真=スポーツ朝鮮

 「日本はもはや韓国をライバルと思っていないだろう。この結果は必然だ」(韓国が日本に4-13で敗れた後、米大リーグ〈MLB〉関係者が朝日新聞系列「AERA dot.(アエラドット)」とのインタビューで語った言葉)

 野球の韓国代表チームが6年ぶりに開催された2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で拙戦続きだ。オーストラリアと日本を相手に開幕から2連敗したが、プロだというにはお恥ずかしい場面が続出した。野手たちは基本を忘れたプレーを繰り返し、投手たちもマウンドに上がるたびにストライクゾーンに球を入れられず、あわてふためいた。

 韓国は12日にチェコを7-3で下し、準々決勝進出への希望をつなげた。だが、ファンの気持ちは既に冷めている。同日のポータルサイト中継での応援クリック数で、チェコ(約750万件)は韓国(約325万件)の2倍以上に達した。韓国野球委員会(KBO)の写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」に寄せられたコメントも、ほぼ批判一色だった。

■「オーストラリアに負けるなんてショック」「韓日戦を見ていて恥ずかしくなった」

 韓国は4-13と惨敗し屈辱を喫した日本戦で、5回から7回二死までに郭斌(クァク・ピン)、鄭哲元(チョン・チョルウォン)、金允植(キム・ユンシク)、金元中(キム・ウォンジュン)、鄭又栄(チョン・ウヨン)、具昌模(ク・チャンモ)、李義理(イ・ウィリ)という7人の投手が2と3分の2イニングを投げ、8被安打5四球1死球を許し、8失点した。このため、4-6で勝負の行方が分からなかった試合の流れが一気に日本に傾いた。投手たちがまともに勝負できずに打たれ続けるありさまに、韓国の野球界からは「戦力で日本に押され気味なのは分かっていたが、あまりにも無気力な負け方だった」という声が上がっている。ヤン・サンムン女子野球韓国代表監督は「韓国代表チームの選手たちがWBCで四球を乱発し、押し出しで点を許して負けるのを見て、視聴者たちも恥ずかしくなっただろう」「次の大会でもこのような目に遭わないためには変化が必要だ」と言った。

 準々決勝に余裕を持って進めるかどうかの分かれ道だった9日の対オーストラリア戦では、3ランを2本打たれたのが悔やまれる。4-2とリードしていた7回表、蘇ヒョン準(ソ・ヒョンジュン)の被安打・死球と金元中の被本塁打で4-5と逆転され、8回表には梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)が安打・二塁打に続き3ランを打たれて4-8となり、勝機が遠のいた。金寅植(キム・インシク)元韓国代表監督は「オーストラリアは簡単に勝てる相手とは言えないものの、韓国が負けるわけにはいかないメンバーだ。それに負けたのだからショックが大きかった」「日本戦では投手が10人登板した。投手たちをお披露目する必要でもあるというのか。韓国に実力がないのだ」と話した。

■「何も考えていないプレー」「基本すら守れていない」

 何よりも問題なのは、基本を忘れてしまったかのようなプレーだった。対日本戦7回一死一塁という場面で、ラーズ・ヌートバーの右前安打時、ライトの朴健祐(パク・コンウ)が中継プレーなしに三塁に直接送球したが、それがヌートバーの二塁進塁を許した。一死一・三塁だった状況が一死二・三塁になり、韓国は結局、追加で2点を奪われ、コールドゲーム寸前まで行った。SBSの解説者イ・スンチョル氏は「中継の野手に送球しなければならない場面だった」「打者を二塁まで行かせるということは全く何も考えずにプレーしている」と批判した。

 これまでの韓国の野球が見せてきた粘り強い勝利への意欲や集中力は見られなかった。オーストラリア戦では姜白虎(カン・ベクホ)が二塁打を放った後、歓喜のセレモニーをしてベースから足が離れ、アウトになった。代走で出た朴海旻(パク・ヘミン)は三塁に立ちながらホームプレートがガラ空きになっているのを見逃して勝負をかけることすら考えていなかった。金寅植・元韓国代表監督は「グラウンドでボールがどこにあるのか探すのは野球の基本」「一番基本的なキャッチボールと走塁、そして心構えを中高生の時から気を入れて教えなければならない。野球に限らず、根本的に我々が身につけるべきことを身につけなければならない」と指摘した。

■本職が別にあるチェコとの試合でも苦戦

 しかも、韓国は「本職と野球の兼業」でプレーしているアマチュア選手中心のチェコを相手にも面目丸つぶれだった。1回に5点を挙げたが、その後は打線が沈黙し、米大リーガー・金河成(キム・ハソン)のソロ本塁打2本で2点を追加するにとどまった。その一方で、投手たちは7回に3被安打で2点、8回に2被安打と死球・暴投で1点を献上した。韓国代表チームの主将を務めるレフト・金賢洙(キム・ヒョンス)は7回、失策とされても仕方のない守備で2打点となる二塁打を許し、直後に交代された。李強喆(イ・ガンチョル)監督は「(準々決勝進出の可能性を少しでも広げるため)最小限の失点にとどめようとしたが、最後の3失点が心残りだ」と語った。

東京=キム・サンユン記者、パク・ガンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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